「傘も刺せるんだよ」と、雨の2日目には特に、便利を痛感したが、それでも自らキャディバッグを運ぶには違いなく、距離計算も、ライン読みも、汚れたボールやクラブを拭くのも、バンカーをならすのも、すべて自分でやるには変わりない。
それでも、コロナ禍で導入されたセルフプレーを、今も好んで取り入れるのは「帯同キャディが見つけにくい、というのもあります」と、パグンサン。
「でも、基本的にキャディをつけてもつけなくても僕にはあまり変わりがない」とも。
むしろ、「キャディさんをつけるといろいろと世話をしてもらえるけど、快適すぎると逆に僕には窮屈になるんです。自分でやるべきことを自分でやる。それが好きなんですよね」と、こだわりを話した。
前回優勝時は、できるだけバッグを軽くするために、規程の携行上限数より3本も少ない11本のクラブでプレーした。
だが、今回は契約メーカーが変わり、特に今週から全クラブを一新したこともあり、「電導カートは背負わなくてもいいのがいい」と、14本残らず運んだのが奏功。
「どのクラブも優勝に貢献してくれました」と、新メーカーに感謝する。
今週の「ミズノオープン」は全英オープンの出場権もかかっており、2021年に初優勝を飾った際に、自身8年ぶり3度目の権利も勝ち取ったが、夏に東京五輪を控えていたこともあり、感染を恐れてギリギリまで迷って欠場を決めたが、「今年はぜひ行きたいです」と、再切符に向けても弾みがつく丸2年ぶりの通算2勝目だ。
V会見を終えて、報道陣が散らばりかけた時、おもむろにまたマイクを取り上げたパグンサンはちょっぴりかしこまり、「お忙しい中、みなさま毎日、朝早くから遅くまでお仕事本当にお疲れ様でした。ぜひ素晴らしい記事をつくってくださいね」と、言い終えると帽子のつばを両手でちんまりつまんでぺこりとお辞儀。
今週は、大会2勝目&2週連続優勝の快挙がかかる。
「また宜しくお願いしますね」と、今月11日に誕生日を迎えたばかりの45歳がアイドルみたいに両手で手を振りながら、会見場を出ていった。