午前終了時点で8アンダーの暫定首位タイと、豪打にスコアを揃えてきた。
昨季の飛距離1位に就いた飛ばし屋に、同伴者が震えた。
「この雨と、この寒さで、朝からこれですよ!」と、2人仲良く並んで出演したプレー後のABEMAブースで、河本と今季初同組で回った石川遼が驚嘆したのは、河本がスタートから連続バーディを奪った11番。
第1打はキャリーで約350ヤード。
2打目のクラブは9アイアンだった。
「僕、3打目で5番アイアンですよ!」と、石川は再度、ため息。
「マキロイより飛ぶんじゃないか…」。
「全米オープン」帰りの言葉に実感がこもった。
2週前に、久しぶりに目澤コーチに指導を受けてよみがえったという飛んで曲がらない魔球。
この日、1Wを持ったのは、6番、11番と16番の3ホールだったが「全部、フェアウェイから打てました」といずれも安定感を保ち、アイアンで刻んだホールも、「リキが僕の5ヤードくらい後ろにいて。危ない危ない」と、ドライバーを握った石川を「刺す」勢い。
大学親友(石川航)のお兄さんを再三にわたりビビらせておきながら、「明日、間違いなく遼さんがスコア出すので。それに少しでもついていけるように。勉強させていただきます」と殊勝なコメント。
「サイコーに可愛いやつなんですよ」と、笑う石川。
「でもゴルフは可愛くない…」は、言いえて妙だ。
ここ西那須野カントリー倶楽部は、日体大時に試合や合宿で、よく回らせていただいたコースという。
「その時は74とか75とか。アンダーパーで回ることは少なかった。その時の印象もあり、間違いなく得意ではない。でも一瞬でも気が抜けない、というのが良い感じの精神状態につながっているのだと思います」。
思い出のコースでさっそくプロ入り後の成長を見せた。
今週月曜日は、大学後輩の中島啓太(なかじま・けいた)の実家に泊まり、アウトレットでショッピング。
こないだの中島のプロ初勝利のお祝いを買ってあげたそうだが今週24日の中島の誕生日のプレゼントは「アウトレットじゃだめ。それはまた今度ちゃんと」と、面倒見の良さをみせながら、後輩がいま一番のライバル。
「ケイタは間違いなく今週も優勝争いに加わってくる」と、中島の5週連続V争いを予言した。
今季開幕戦「東建ホームメイトカップ」の練習ラウンド時に「ケイタに衝撃を受けた」という。
「フェードヒッターだったのに。ドローを打つようになっていて。それも曲がり幅も上質で、スピンもちゃんと入っている素敵な球。案の定、今年は常に上にいる」とこの日初日も中島は、4アンダーの13位タイ(終了時)から、しっかりと河本を見上げている。
「ケイタに追いつくのはまだまだですけど。ある程度は良い勝負ができるようになっている。僕も試合を盛り上げたい」。
選手会の主催試合をリキとケイタが熱くする。