9番と18番グリーンをまたぐ通路に今年、巨大なゲートが誕生。
クラブハウスを背に、向かって左サイドは初代覇者の青木功を先頭に、98年の3連覇ほか大会最多の4勝を誇るジャンボ尾崎ら、レジェンドの華々しい活躍を綴る最初の四半世紀が一望できる。
そして対面の右サイドはまだ記憶にも新しい2000年代。
勝者や大会ゆかりの選手の写真が絵解きとともに飾られており、ついつい立ち止まってみたくなる。
50回分の歴史がぎゅっと凝縮されていて、圧巻の新スポットになっている。
語り尽くせぬ長い長い物語りの中で、最新話を飾るのはもちろんこの人。
昨年、涙のツアー初優勝を飾った。
河本力(かわもと・りき)が、大会初出場を果たしたのは6年前。
まだ地元愛媛の松山聖陵高校3年時の2017年は、大会が進めるジュニア育成プロジェクトの一環で出場チャンスをもらった。
「懐かしい・・・!」と、本人も思わず声が出る初々しい写真。
当時は、もっと細くて、「体重も80キロくらいで、身長は今より1センチ低いくらいかな? ゴルフも全然へたくそでした」と、1打足りずに予選敗退した。
「でも今は、あの頃よりショットも、アプローチも、パターも。全部全然上手くなっていると思います」と、50回大会で目指すのは、ジャンボ尾崎に続く2人目の大会連覇。
今年、大会では土日のギャラリーイベントとして、朝ヨガの開催が愛好家の間で話題だが、連覇を狙う河本も先週まで試合がなかった夏休みに初の瞑想体験してきたばかりだ。 朝ヨガの参加者をただいま絶賛募集中です。
「賞金王を狙う」と、公言した2年目の今季は、トップ10が4度。
でも、いずれも優勝争いには食い込みきれずに賞金ランキングは23位。
大学後輩の中島啓太が現在1位で引っ張る賞金レースもまだ蚊帳の外だ。 最新の賞金ランキング
「去年よりも確実にレベルアップしている」と、確信がある分だけもどかしさがあった。
「今年は賞金王にならないといけない、絶対にいい成績を出さないといけないという焦りから、ちょっとのミスではぁ~っとなったり、メンタルで成績が落ちている」と、気付かされたのは、2週前に姉の結さんの紹介でヨガトレーナーの兼下真由子さんにメンタルトレーニングを受けてから。
1回約1時間のディスカッションで、「前の日のOBをいつまでも引きずったり、ずっと考えたり。反省はしないといけないんですけど、過去を振り返りすぎたら絶対ダメ」と、原因がより鮮明になった。
「常に平常心でいるために、自分を客観的に見るためにいまどうするべきか。技術だけで4日間戦い抜くことは難しい。メンタルがしっかりしていないと、優勝争いの場面でいいパフォーマンスもできない」と、今まで以上の前向きさも出てきた。
兼下さんのレッスンには瞑想も組み込まれているそうで、「もちろん、連覇も狙っていきますけど、試合が始まったら自分のできることだけに集中して。チャレンジャーの気持ちでやりたいな、と思います」と、日に日にその効果を発揮しそうだ。