逆に、初日にプレーを残した選手たちは、58人全員が2日目のうちにプレーを完了。
第3ラウンド開始予定の12時まで、好きに時間を使える。
生き残りをかけた勝負は平等に過酷だ。
プロ9年目の小木曽喬(おぎそ・たかし)は前日2日目に、31ホールをこなした。
6番グリーンから再開し、2日をかけて回った1ラウンド目は、3バーディ、1ボギーの「70」。
2アンダーの31位タイからすぐ臨んだ第2ラウンドは6バーディ、1ボギーの「67」で無事終了。
首位と3打差の通算7アンダーは、暫定成績としては5位タイの好位置で、予選通過を果たした。
小木曽の経歴で、なんといっても特筆すべきは、地元愛知県から越境して学んだ福井工業大附属福井高校3年時の2014年に、日本選手としては当時最年少の17歳115日でアマ最高峰の「日本アマ」を制したこと。
その翌年、福井工業大1年時にQTに挑戦。ランク72位の資格を取得し、プロ転向した。
その後、レギュラー昇格の大チャンスは昨年。
“賞金王”が翌年のシーズン資格を得るABEMAツアーで、最終戦を1位で迎えたが、大堀裕次郎に逆転負け。
シーズン途中に優先順位の組み替えされるランク2位に終わったが、「凄く良い経験が出来ました。レベルアップもさせてもらって、ツアーで活かさないと、というのが今年。そういう意味でも、上手くステップアップができている」と、今季は出場した大会すべて予選を突破。
着々と賞金を積み上げ、現在賞金ランキングは31位。
初シードはほぼ手中にしており、あとは「初優勝だけ」と、言えるところまで来ている。
北海道特有の洋芝は「今まではすごく苦手だった」と予選落ちがほとんどだったが、今までカット軌道が強かったスイングを、フラットにチェンジしたことで、「上から叩いても、刺さらなくなった」と、今年は当地開催の3大会とも難なく決勝へ。
「洋芝は得意」と、言えるまでに改造効果も実感している。
輪厚に来る前に、吉報も入った。
同じ中部地区でジュニア期から仲が良い今野大喜(いまの・だいき)が、ABEMAツアー「PGM Challenge(9月6日ー8日,兵庫ライオンズカントリー倶楽部 )」で、プロ初優勝を飾った。
股関節のケガで歩くことも難しかった昨季は出場機会も失っていた。
「ダイキとは所属(フロンティアの介護)も一緒で、同級生で、苦しんでいたのもずっと見てきた。すごく良い勝ち方(接戦での逆転V)をしましたし、僕も本当にやる気が出た」と、燃えて来た。
「来年はレギュラーで一緒に戦えそう。それまでに、僕は優勝して待っているのが一番」。
悲願の初Vへ。
課題にあげるのが、きょう3日目。
「せっかく上にいても、いつも落ちちゃう」と、自分の弱みを改めて痛感したのは7月。
同じ北海道で行われた「長嶋茂雄INVITATIONAL セガサミーカップ」で、現在賞金1位の金谷拓実(かなや・たくみ)と同組対決し、ムービングデーとも呼ばれる土曜日の気迫を見せつけられた。
アマ選抜のナショナルチームでも競ったふたつ後輩。
負けてられない。
正午過ぎにスタートする3日目は、長丁場に緊迫も加わるが「きょうがまた、初日という気持ちで。気持ちも新たに伸ばしていきたい」と、ひるまない。