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ACNチャンピオンシップゴルフトーナメント 2023

左利きの勇気「曲がってもいい」ハタチの細野勇策が果敢に3位タイ発進

ハタチのレフティが、さらなる脱皮を試みる。
細野勇策(ほその・ゆうさく)が、風の初日で攻めて「66」。



10番から出て難しいインコースを、ボギーなしの1バーディでターンすると、後半9ホールのボギーは、1番でバンカーから寄らず入らずの1個だけ。


2番でアプローチを寄せて「お先レベル」の短いバーディパットを決めると3番ではチップイン。さらに4、5番と立て続けに4連続バーディ。

上がり7番から2連続バーディは、8番で「めちゃくちゃまぐれ」と笑う15メートルの長いパットが沈んだ。


プロ3季目の今季、9月の「フジサンケイクラシック」で初の最終日最終組に入って金谷らとV争いしたが、74と崩して15位に終わると、その後2試合連続の予選落ち。

「ちょっと消極的になっていて。飛距離も落ちて、ゴルフが小さくなっている」と、気がついた。


「曲がってもいい」とこの日、第1打で刻んだのは10番ホールだけ。
「狭くても頑張ってドライバーを持った」と、9番では左に曲げて池に入れても打ち直しの第3打を2メートル半にくっつけ、ナイスパー。

「OBも怖がらずにやれた」と、果敢なプレーを3位タイの好発進に直結させた。


QT8位で初メンバー入りした今季は力の抜きどころに苦慮する。
「木曜から日曜まで試合をして、月曜日からコースに入って火、水と練習」。

開幕前に、1日8合のゴハンで8キロ増量してきたが、毎週の連戦と今夏の記録的猛暑も重なり周囲から「痩せたね」と、もっぱらだが毎試合、帯同し、食事を用意してくれたり、支えてくれるお母さんに感謝。


今季3度のトップ10入りで、賞金ランキングは現在35位につけており、初シードは手中におさめた。
「あとは優勝できればいいかな」。


生後2ヶ月で心臓を手術し、体に負担のないスポーツをと、お父さんがそのまま利き手の左でクラブを持たせてくれた。

左打ちVは、日本人では1991年「ダイドードリンコ静岡オープン」の羽川豊氏以来。
32年ぶりの快挙でご両親の献身に応える。

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