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バンテリン東海クラシック 2024

単独首位に浮上したレフティ 細野勇策と三好の相性は?

プレー後のサイン対応で、「ペンも左で持つんですね!」と、レフティのお子さんを持つ親御さんが興味津々。
「僕はお箸も左なんですよ」などと、話が弾んでいた。


    クラブもペンもお箸も左で持ちます

      左打ちの細野勇策(ほその・ゆうさく)が難しい三好で2日連続の「66」をマーク。
      通算10アンダーで、1差の単独トップに浮上した。

      「力が入りすぎて、全部狂ってきている感じがある」と、けっしてショットの状態は良くないそうだ。

      生後2か月で心臓の手術を受け、「負担の少ないスポーツを」と、6歳でクラブを持たしてくれたお父さんが、今週は水曜まで会場でチェックしてくれたがあまり改善しなかった。

      それでも、しっかり優勝争いはできている。
      本人に自覚はないが、「勇策に合ってるんじゃない?」と、練習日から言われていた。

      先輩プロたちが言うには、歴代覇者にはドローヒッターが多いそうだ。
      「確かに、三好は左に木が密集しているホールが多いのでフェーダーは打ちづらそうにされている印象がある」と、練習ラウンド時から細野も感じていた。

      細野もフェーダーだが左利きだから、三好と好相性といわれる右打ちのドローヒッターと同じ弾道で攻められる上に、グリーン上で球を止めやすく、より安全に狙いやすいという利点もある。

      顕著なのが、魔と呼ばれる16番だ。
      左に急こう配の崖が見えるパー3は、多くの選手が右のバンカー方向からドローボールでグリーンを狙うが、曲がりすぎると怪我も大きくなる。

      「でも、自分は左打ちのフェードだから、人より安心して打てるというのはあるかもしれない」と、難関ホールで2日間とも6アイアンで打ち、初日は6メートルにつけたバーディチャンスを沈め、この日は7メートルに乗せて、難なく2パットのパーセーブ。

      「でも…」と、笑う。
      「だからといって易しいわけじゃないですよ。あのホールは右打ちでも左打ちでも、誰でも怖い。練習します!」と、決勝ラウンドに向け気を引き締めていた。

      通常72ホールで競うところを、台風10号の影響で、36ホールの短期決戦となった「フジサンケイクラシック」で自己最高の3位も、平田に追いつけなかった最終日の5ホールを悔やむ。
      「もう1ラウンドできていれば、という気持ちはある」と、本音もこぼれる。

      今週からオフの減量と、夏の猛暑が重なり80キロから一時期72キロまで落ちた体重を戻すための食トレを再開した。
      尊敬する金谷拓実(かなや・たくみ)にはパターを教わるなど、雪辱にむけて一生懸命だ。

      デビュー時からニュースになるたびに、代名詞みたいになった。
      日本人としては、91年「ダイドードリンコ静岡オープン」の羽川豊氏に続くレフティVへ。

      初シードを決めた昨季、会場でばったり出会い「頑張ってね」と、声をかけてもらった。
      「羽川さんには、あれからお会いできてないですけど、今年の日本オープン(10月10日ー13日、東京GC)」には来られるとお聞きしていて、そこでまたお話できるといいな、と思っています」。

      難攻不落とも言われる三好での初Vで快挙に続ければ、伝説のレフティも喜んでくれる。

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