幼なじみのリョウにも負けるな。
21歳の金子駆大（かねこ・こうた）が、3アンダーの「67」で回り好発進した。

本大会は、自身3度目の予選会を初突破。
初めてのJGA主催試合は想像以上の難しさ。

「通常の倍くらい耐えないとスコアが出ない」と、難コースで粘りに粘って初日のボギーは12番のひとつだけ。

「いま調子が悪い」と序盤は１Wのティショットを控えたが、「途中からアドレスの向きとテイクバックの上げ方を変えたらよくなった」と、徐々に積極的に攻めて4つのバーディ。

「終わりは3倍耐えました」と、嘆息した18番のパー5は、右の深いラフから脱出の2打目が「20ヤードしか飛ばなかった」と、そこから今度は左バンカーに打ち込んだが、80センチに寄せる渾身のパーセーブ。

「全ホールがシビア。いくつ目指そう、とかいうのはなくて。1ホールずつ丁寧に。耐えながらのプレーで気付いたらいいスコアで上がれた」と、安堵した。

祖母の教えで3歳からゴルフを始め、ジュニア期から全国大会の常連だった。

3週前に、欧州・DPワールドツアーで初優勝した久常涼（ひさつね・りょう）は、誕生日も4日違いの幼なじみだ。

「小学生の低学年から知っています。昔から上手かった。プロでも絶対活躍する、と思ってましたが、まさかあっち（海外）で先に勝つとは。手の届かないところまで行ってしまった」。

快挙後、すぐにラインメッセージを贈ると「たまたまだよ」と、返信が来た。

今週の凱旋帰国でさっそく練習ラウンドや食事を共にし、欧州ツアーの情報も収集。

「自分もいつかは海外で」。

久常と同様に、金子も高校卒業後にすぐプロ転向したが「今まで流れのままに生きてきました」。
漠としていた目標も、親友の快挙で急にくっきりし始めた。

本名は、同読みの公太（こうた）と書くが、プロ転向時に字画のよい「駆大」に。

ABEMAツアーの資格で出る今季、レギュラーツアーの賞金ランキングは現在80位。
「今週の一撃で初シードを獲りたいな」。
久常に1打リードで初日を終えた。
初舞台でコータが駆ける。

• 金子 駆大