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日本オープンゴルフ選手権 2023

アダムに変わってお手本に。貞方章男「負けられない」わずか10分のベテランご近所プロ

茨木の住人が、午前組のリーダーボードを捉えた。
プロ23年目。44歳の貞方章男(さだかた・あきお)が通算4アンダーと好位置で、決勝ラウンドに進んだ。



地元奈良県から10年前に引っ越した大阪府箕面(みのお)市の自宅はコースからわずか1キロ弱。

この日は朝6時に起床し、50分で支度をして、7時にはもうコースに着いていた

8時25分からコースに出て、1番、2番で連続バーディを奪うと、最後17、18番の連続バーディで締めた。

「さい先良く出てこのまま行けるかな・・・と思ったけれど。やはりラフは深いし、ピン位置も厳しい。思ったようには打たせてくれない。もう必死」と、前半アウトでボギーを3つ叩いた。


「3パットもあったけど、とにかく我慢した。無理をせず、セーフプレーでピンを狙わず、我慢我慢で来た結果、最後も2つ続けて獲れました」と、18番パー5は220ヤードから3Uでぎりぎり左に2オンして楽々2パット。

ベテランの見事な連続バーディ締めに、ひときわ大きな歓声が上がった。


名門中の名門だ。
たとえ“ご近所プロ”でも、気楽に門をくぐれるコースではない。
「メンバーさんに呼んでいただき、オフに何度か回れるくらい。コース自体も普段とは違いますし」と、JGA仕様はけして勝手知ったるではない。

でも「いろんな方が声をかけてくださる。そういうのは凄く励み」と、この10年で築いた絆を頼りに攻略につとめる。


「67」で回った初日は、同じ奈良の谷口徹(たにぐち・とおる)も「ナイス」とメールをくれた。

「いつも気に懸けてもらってありがたい。嬉しいですね」と、大先輩の応援も力に変える。


14歳で単身渡米し、アメリカでプロ転向した。
2003年には米ツアーにも参戦を果たしたが、1年で撤退。その後は日本ツアーに腰を据えたが、初優勝には届いておらず、本大会も予選会からの出場だ。


「今年はシード外の選手なので。メジャーっていうのと、そういう他の所でも頑張らないといけない理由もある。明日、あさってと引き続き粘りたい」と、気が締まる。


家庭では中1、小6、小3の三男と2歳の一女の父でもある。
男の子は3人ともゴルフをし、JGAのジュニアイベントにもたびたび参加。

「週末は、アダムを見に来るんじゃないですか?」と苦笑した。


「この大会には毎年来てくれて、ジュニアの子たちもせっかくプレーを見られるチャンス。うちの子たちもぜひアダムを見に来て欲しい」と力説していたが、アダム・スコットはあいにく通算6オーバーで、予選敗退してしまった。


代わって自ら手本になる。

プロ転向から23年目のツアー初優勝なら最長記録を更新する。
また、44歳と175日で日本タイトルでの初優勝なら、最年長記録も塗り替えられる。

「おぉ・・・」っと目が光った。
「負けられない」と、気合いが入った。
「頑張りますよ」と、力を込めた。
ベテランのご近所プロがスコットに代わって愛息たちを釘付けにする。

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