日本ツアーでは、レギュラーもABEMAツアーも合わせてまだ優勝がなかった。
きっての飛ばし屋、幡地隆寛(はたぢ・たかひろ)が、プロ10年目の嬉しい初優勝を飾った。
大会広報によると、今年103回目を迎えた豪州とアジア共催の「ニュージーランドオープン」で、アジア勢が勝つのは初めて。
また、日本勢が豪州ツアーを制したのは青木功が1989年に優勝した「コカコーラクラシック(メルボルン)」以来の偉業という。
「長い歴史の試合で優勝できて嬉しく思います」と、幡地。
「今年1試合目で勝っちゃいました」と 帯同してくれた妻にも、初の勇姿をしっかり見せた。
「優勝するつもりで来ていなかったので、本当に嬉しく思います」と、喜んだ。
Leaderboard | New Zealand Open 2024 (nzopen.com)
最終日は1差の3位タイから出てすぐ1番のバーディを契機に大混戦を牽引した。
もつれながらも4番、12番とスコアを重ねて、15番のバーディで2位に2打のリードを奪った。
終盤は、後続のスコット・ヘンド(豪)が背後に迫り、17番で並ばれたまま、幡地はボギーなしの67でまとめて先に通算17アンダーでホールアウト。
その後、ヘンドが18番パー3でボギーを叩いて脱落。
吉報は飛び込んだ。
「本当に厳しい1日でしたけど、トロフィーを手に入れて今はとても幸せな気分です」と、喜びに浸った。
「スコット選手もとても良いプレーをされていたので、スコット選手の最後のボギーは残念な気持ちです」と、敗者への気遣いも忘れなかった。
広島県三島市出身で、進学した隣県の岡山・作陽高校では後輩にメジャー覇者の渋野日向子さんや、欧州ツアー制覇の久常涼がいる。
東北福祉大学では4年時の2015年に関東学生制覇。
ジュニア時代を通して頭ひとつ抜け出て背が高く、同年のプロ入り後は図抜けた豪打でも一目置かれた。
初シード入りを果たした2021年には、同時に当時絶対王者のチャン・キムを抜いて飛距離1位に。
翌年は米二部ツアーの予選会に挑戦したものの、1次敗退。「準備不足」を反省したが、海外でも通用する器という周囲の評価は変わらず、昨季日本ツアーはトップ10が4回。
賞金18位で自己ベストを記録し、初優勝は時間の問題とも言われる中、昨年の金谷拓実(2月「インターナショナルシリーズオマーン」)に続くアジアンツアー初制覇を達成した。
日本ツアーの開幕を今月末に控えて、先に海外で優勝杯を手にした30歳は、「日本に帰っても、また頑張って練習したいと思いますので応援宜しくお願いします」と、海の向こうから呼びかけた。2024年ツアー スケジュール&2024年ABEMAツアー スケジュール
JGTOメンバー&日本勢の結果
優勝(17アンダー)幡地隆寛
34位T(9アンダー)杉浦悠太
58位T(5アンダー)ハン・リー
69位T(3アンダー)ジャスティン・デロスサントス