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バンテリン東海クラシック 2024

幡地隆寛が13年前のリベンジ。ウッズのウェアで三好を制覇

幡地隆寛(はたぢ・たかひろ)が初めて三好をプレーしたのは13年前。
いまより飛距離も出なかった作陽高校時代。2011年の「日本アマ」に初出場し、2日で12オーバー叩いて予選敗退している。



のちに、東北福祉大で2つ先輩となる松山英樹がメダリストの「66」で回り、トップ通過を果たしたのもその日で、「2ホールだけ観に行ってすげえな、と」。
感心したのを今も思い出す。

当時18歳。
「手も足も出なかった」。
因縁の三好で大会レコードの通算17アンダーを出して優勝。

「凄い成長したな」。

2019年の初出場から5大会連続で出て以来、予選落ちはしていない。
「この週を契機に段々調子があがっていくという相性の良いコースに変わっていった」と、年を重ねて果たした13年越しのリベンジに、31歳の実感があふれた。


スタート前は、首位と1差の3位タイ。
「誰が勝ってもおかしくない混戦で、現実逃避と言いますか、自分は勝たないだろう、と」。

あえて気負わず出た1番で、林の中から打った2打目がなんとバンカーから駆け上がり、6メートルのチャンスについて、まさかのバーディ発進。

「今日はついてる」と2番パー5も獲り、大接戦を開始した中、ティショットを左の林の下まで落とした9番のボギーは痛恨。
「ショックでだいぶ気分が落ちた」と、ふさぐ幡地にファンから差し入れのお菓子を勧めてくれた大江キャディに大感謝。
「凄く和んだ」と、もう一度接戦へ。

左が崖の16番パー3では7アイアンを持ち、「怖がらずに左に向かってフェードで攻めた」というピンそばのOKバーディが分かれ目。
最終盤の大きな1打リードで勝ち切れた。



    今年3月に“人生初V”を飾った豪亜共催「ニュージーランドオープン」の資格で、今週は当初、同週開催の亜ツアーの出場も考えた。

    だが、「自分が行きたいのはPGAツアー」と思いとどまり、最終日はバンテリンの巨大看板でもおなじみのタイガー・ウッズを意識した同配色のコスチュームで登場。

    国内初Vの5月「関西オープン」に次ぐ通算2勝目で賞金ランク8位に浮上し、来月の米「ZOZOチャンピオンシップ」の出場圏内へ。



      ちょうど資格期限にあたる来月の「日本オープン(東京GC・埼玉)」は、昨年最終日に石川遼との「豪華」2サムラウンドで3位に敗れた雪辱戦でもあり、「もう一度あのシチュエーションになった時に勝ちたいという強い意志が僕の中にあります」と、今から燃える。

      連覇を狙って臨んだ前日土曜日のドラコン大会では5位敗退した。

      349.6ヤードで優勝の@松山茉生(まつやま・まお)さんに14ヤード超も差をつけられ「引退ですかね」と笑うが、大会スタッフによると、1番ティでの2球勝負で左の“場外”に消えた1球目は、1番グリーンとほぼ横並びの7番グリーンに“ワンオン”していたそうだ。

      破壊力は16歳にもまだ負けない。

      「いまは飛ぶ選手が増えて、レベルも上がっている。僕もまだまだ飛距離を伸ばして頑張らないと」。
      来年の三好は連覇とドラコンの雪辱戦だ。

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