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ACNチャンピオンシップゴルフトーナメント 2024

「強い選手はみな練習する」金谷拓実の折れない信条

金谷拓実(かなや・たくみ)がH・W・リューとのプレーオフを制して今季2勝目、アマプロ通算7勝目を達成した。



スタート時は5打差もあり「とにかくバーディをたくさん獲らないと。自分のプレーができれば」とひたむきに追い、9Iで4メートルにつけた5番から、大混戦を揺さぶる4連続バーディ。

6番では、8メートルもねじ込んだ。

後半11番から今度は3連続を記録するなど、ボギーなしの「63」で回れたが、リューと通算20アンダーで入った最後18番パー5で、奥のラフから寄せきれず。
その後のインタビューで「長引かせてすみません!」とギャラリーに詫びたが、延長ホールでこそバンカーから寄せた1メートルのチャンスは逃さなかった。


3月の開幕戦「東建ホームメイトカップ」からやっとの思いでつかんだ今季2勝目だ。
「朝から陽が暮れるまで。なんでこんなに練習しているのに、って思ってました」と、この半年の葛藤を打ち明ける。

「人より練習すれば勝てる」が信条だ。

昨季賞金王の中島啓太(なかじま・けいた)も、現在賞金1位の平田憲聖(ひらた・けんせい)もそう。

「強い選手はみな練習する。年間で強い選手はその積み重ね。今このときを、頑張らないとつながらない。結果が出ないときはより感じた」と、いっそう打ち込んだが5、6月のメジャー2戦とも決勝に進めず、国内では7月の「長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップ」で2022年8月以来の予選敗退。

「パッティングがなかなか…。凄く悔しい思いもしました」と、夏には元ナショナルメンバーのチームメイトたちと3日間の強化合宿を組み、台風の影響で36H決着となった9月の「フジサンケイクラシック」はゲーム後に、「思うように打てない自分に腹が立った」と、雨中の特訓も励行。

四六時中、練習場に張り付き、復調を模索した。

昨季の賞金3位で欧州・DPワールドツアーの資格は取ったが出番は来ず、まずは日本でと切り替えても、思うような結果が出せない。

今オフから、専用の練習器具を使ってヘッドスピードの向上に取り組み、飛距離アップに成功したが、根を詰めすぎ左手首を痛めた。

「いつ心が折れてもおかしくない状況だったと思います」と、大学時から金谷を看ている大坂トレーナー。
でも練習量も、質も一向に変わることなく、むしろ悔しさを燃料に、より時間を費やしまず前週の「バンテリン東海クラシック」の2位で兆しを見せると、一気にアマプロ通算7勝目を達成。



    賞金2位に浮上した。 最新の賞金ランキング

    1位の平田との差も一気に縮めて1900万円ほど。
    「みんな賞金王を目指して頑張っている選手たちばかりだと思います」と、自身も昨年獲り損ねた頂上を、つかみにいく。

    一方で、11月の米二部ツアーの二次ステージにもエントリー。

    「オリンピックではメダルも獲られて素晴らしい。やっぱり松山選手の活躍を見て、が一番かなと思います」。
    大学先輩が、偉業を続ける夢の舞台。
    「チャンスがある限りはつかみに行きたい」。
    どんなルートを使ってでもがむしゃらに道を探る。

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