その言葉や表情に、歓喜が溢れた。
1日、日本ツアーの今季最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」で平田憲聖(ひらた・けんせい)を抜いて逆転賞金王に就いたその足で渡米。
そのほか部門別や特別賞でも6賞を獲得していたが、すぐ翌日に行われた「ジャパンゴルフツアー表彰式」での受賞式は、母親の美也子さんに代理を頼んで出発していた。
「両親に一番に伝えたい」と、出場権獲得の第一声。
「これまですごく苦しい思いだったり苦しいことがたくさんあったけど多くの人に支えられてここまで頑張ることができたので。本当に、今まで支えてくれたみなさんに感謝したいです」と、しみじみ語った。
昨季は、欧州・DPワールドツアーからのPGAツアー挑戦を目指したが、中島啓太(なかじま・けいた)に賞金レースで敗れて3位に。
出場資格は獲れたといっても優先順位は低く、ついに出番は回って来なかった。
今年は早々に予選会からの挑戦を決意し、12月3日ー6日のセカンドステージから臨んだが、初日は59位と出遅れ。
「いいスタートではなかったですけど、どの一打も集中して一生懸命やれば結果は出ると信じてプレーして来た」と、最後15位で巻き返して12日ー15日のファイナル進出へ。
負けん気と粘り強さをここぞで発揮した。
「今年1年、どの1打も、大切にしてプレーしてきた。それがこうやって報われて本当に嬉しいです」と、晴々とした。
「日本で頑張っていれば、こうしてPGAツアーで戦えるチャンスもあると思うし、ここからがスタート。またいい準備をして頑張りたいなと思います」と、意気込みを述べた。
今から転戦の楽しみは、ラウンド中にもよく専属キャディのライオネルさんと話題になるプロバスケットボール「NBA」の観戦という。
ひいきのチームは一もにもなく「レイカーズ」。八村選手の大ファンだ。
大学先輩の松山英樹と同じ舞台で戦えることも、無上の喜び。
「ずっとPGAツアーで活躍されていて、世界のトップ選手。これから日本の選手もたくさん挑戦していくと思うので、松山選手を目指して頑張りたいな、と思います」。
昨季賞金王の中島は、初年度の今年、まずは欧州ツアー初制覇を達成した。
今季賞金王も、世界へ旅立つ。
なお、8位タイで本最終予選会を終えた賞金2位の平田は、出場数は限られるが来季米二部コーンフェリーツアーの出場資格を獲得して「来年は、出られる試合でベストを尽くして頑張りたいなと思います」とコメントした。