途中、後続に追いつかれそうな場面もあったが、基本的には当初の目標だった20位以内を目指していた。結果的にトップ通過となったわけだが、本人も思いもよらぬ結果だっただけに、来年のプランが少々変わりそうだと困惑気味。
「来週はシニアのQTがあって、そこも気を引き締めて頑張りたいと思っています。ここに来る前は、シニアとレギュラーツアーの出られる試合の平行でと考えていたんですけど、結果的にこういう形になったので、どうしたらいいんだろうって今は思っているんですけど(笑)」。
49歳での年間の出場資格初獲得はこれまでの井上久雄とS・ジンの45歳という記録を大幅に更新することになった。ここまでの道のりは決して平坦ではなく、厳しいことも多かったが、スポンサーや家族に支えられて今がある。自分はラッキーなんですと海老根。ただ、性格的には自らをネガティブ思考と言い切るほどの心配性で、きっと今の心中はファイナルQTが無事に終わった安堵感と、来年のレギュラーツアーが決まった動揺と、来週のシニアのQTへの不安が入り混じっていることだろう。
海老根が大事にしていることは「ベストを尽くすこと」だ。どんな環境であっても、置かれた立場を受け入れてベストを尽くす。そうやって27年間のプロ生活を送ってきた。「続けていればこういうこともあるんですね」と、ホッとした表情で話す海老根が印象的だった。来年はレギュラーツアーとシニアツアーで大忙しになりそうだが、どんな厳しい状況でもきっとベストを尽くすプレーを見せてくれるはずだ。