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東建ホームメイトカップ 2006
上田諭尉ウェイティングからの大躍進!!
先に、宮本が第2打を打った。
果たしてボールは、直接カップに吸い込まれていった。
チップインイーグル。
この快挙を、目の当たりにした上田の胸が一気に高まる。
自分も、大歓声に答えて万歳を繰り返している宮本に続きたい。
上田は、首位と2打差の2位につけていた。
3つ後ろで回るリーダーに追いつくためには、上田こそイーグルが必要だったからだ。
地元・岐阜県出身で、開催コースの東建塩河カントリー倶楽部は自宅のある大垣市から車でわずか40分。
会場の誰もが、奇跡の1打を望んでいた。
何より上田自身、優勝が欲しかった。
しかしこの開幕戦で、ここまでやれたことだけでも上出来という気持ちもあった。
ファイナルQTランク41位の上田には、開催前日まで出場権がなかった。
ちょうど、同ランク40位の選手までがボーダーライン。
上田は、繰り上げ出場を狙ってとりあえず現地に入り、欠場者が出るまで待機する『ウェイティング制度』を利用していた。
上田の優先順位は1番目。
祈るような思いで迎えた初日の早朝に、知らせは入った。
神山隆志が発熱のため、欠場することになったのだ。
まさに滑り込みで出場権を手にした上に、予選2日目には66をマークして一気に10位まで浮上。
「決勝は、少しでも上に行こう」と誓った。
今大会、主催者推薦で出場していたデーブ大久保と親しい間柄。
昨年はデーブを通じ、巨人軍の工藤公康・投手と会う機会があった。
42歳になってもなお、現役で活躍する工藤選手の凄まじいプロ魂など、いまの自分にも参考となる話題をたくさん聞けたことで、今季にかける思いも増した。
結局、初優勝こそ逃したが「決勝ではノーボギーのゴルフもできて、まるで自分じゃないみたい。開幕からいきなりこの賞金はありがたいし、とても勉強になった1週間でした」。満足そうに振り返った。
土壇場でつかんだチャンスをきっちり生かして2位。
2002年以来のシード権奪還も手繰り寄せ、最高のスタートを切った。