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全英オープンに向けて、最終調整!
練習ラウンドを回った選手は口々にこう答える。「昨日と逆の風を経験できたから良かった」と。
伊澤利光・谷口徹と一緒に練習ラウンドを回った谷原秀人は、一昨日の更にひどい悪天候を唯一経験している。だから、この悪天候にも「こんなもんだろうで済んだ。」と動揺は無い。
最近、スイングの調子も徐々に上向きになってきた。
『〜全英への道〜ミズノオープンよみうりクラシック』の時には、スイングは4割の出来だった。そこから数試合の間で「アイアンの調子は良いし。ウッドも良いですよ。」とイメージ通りに近い球が打て始めている。
さらに、谷原には頼もしい助っ人がいる。それは母親だ。
「おいしいご飯が食べられています」と、イギリスの滞在中も毎日の食事に気を使うことはない。
「どれだけ頑張れば何位になれるかが見えないけど。」と、我慢のゴルフで昨年の5位を上回る成績を狙っている。
上位を狙っているのは谷口徹も同じだ。「1ポンドでも多く稼いで帰りますよ(笑)」と勢いの良さで頑張りたいと意気込む。
現在、谷口は賞金ランキングトップ。2位以下に2000万円以上の差をつけ独走中。
賞金王を意識するのはまだ先だが、「5勝できれば誰もついて来れないでしょう」と、自身が2002年にマークした4勝を上回る目標を立てている。
今週は、先々週から一緒にいる最愛の妻・亜紀さんと長女の菜々子ちゃんはいない。
電話のかけ方も分からないからと連絡もとっておらず、写真も持ってきてないという。日本との時差も考えて、今週は独りで戦うことになる。
明日同組になっているミケルソンとは、学生時代にも同組でプレーした経験を持つ。「覚えていないでしょうね。やたら距離が飛ぶし、明日は前を向かずに下を向いていようかな(笑)」と自分のゴルフに専念する構えだ。
伊澤は「このコースは過酷だね。」とこぼす。
あまりの難しさにメジャー気分にもならない。日によって変わる風は、調子の良い伊澤も苦しめる。
ただ、伊澤もだまってはいない。今日の練習ラウンドはアプローチを丹念に行った。グリーン周りだけでなく、30ヤードぐらいまでならパターで転がす。「今日はそればっかりやったから」と距離感もバッチリ。
また、このコースの特徴のバンカーからのアプローチも試す。晴れている時はパウダー、雨が降っているときな粉のようになるバンカーだけに、一筋縄では行かない。
伊澤は5年前の全英オープン22位タイを始め、同年に丸山茂樹とのコンビで日本チームを45年ぶりにWGC−EMCワールドカップ優勝へと導いた。2001年のマスターズでは4位タイに入るなど、海外での活躍ぶりも目を見張る。
3年ぶりに飲んだという睡眠薬のおかげで、昨日はぐっすり8時間睡眠。
もう時差ボケはない。後は、いつものゴルフをするだけだ。