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サン・クロレラ クラシック 2001

「自分は精神的に弱いのか…」

悩んだ藤田寛之を支えた仲間の優勝

 「今は調子が悪いから、勝てたことが信じられない」と本人は言うが、今季の藤田は、何度もトーナメントリーダーとしてインタビュールームに顔を出すなど、ツアー会場では、好調さを印象づけていた。
 だが、5月のダイヤモンドカップでプレーオフに破れたり、「優勝争いをしながら、最終日に崩れたり…。あと一歩、及ばない試合が続いて、“自分は精神的に弱いのか”と考え込んだ時期もあった」という。

 そんな不安を吹き飛ばしたのは、7月の“日本ゴルフツアー選手権 イーヤマカップ”での、宮本勝昌の優勝だった。
 師匠の芹澤信雄を中心に、ともに刺激を受けあう仲間の3年ぶりのV。
 「しかも、春先ずっと調子が悪くて、一生懸命やっているのをそばで見ているだけに、宮本が結果を出してやっと勝てたということで、僕も自分のことのように嬉しかったんですよ」
 壁を突き破った仲間の勝利が、悩む藤田には大きな励みとなった。

 この2週間のオフは、「ライバルというより、良き仲間という感じ」という芹澤、宮本たちと、トレーニングを兼ねた、恒例の夏合宿を行う。

 そしてオフ明けは、生まれ故郷の福岡県で開催される久光製薬KBCオーガスタ。
 「実は、もし今年勝てるとしたらこの試合あたりで、と予定を立てていたんですけど。少し早まっちゃいましたねぇ」と、藤田は笑うが、合宿の成果を発揮して予定どおり、地元・福岡でも勝てば、出場大会連覇の快挙が達成できる。

写真 = 大会を支えてくださったボランティアのみなさんと。「僕ら選手はついゴルフに集中するあまり、影から支えてくださる方々の存在を忘れがちだけど、みなさんのご協力を常に励みに、これからも頑張っていきたい」と藤田

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