スコアボードを見つめながら、富田が小さくつぶやいた。
「みんな、すげえや。俺なんか、やっとイーブンパー」。

なかなかチャンスが取れないどころか、パープレーが精一杯。
富田が伸び悩んでいる間に、周囲は猛チャージをかけていく。

同じ組でまわった台湾の葉偉志は、この日８アンダー。
初日に出遅れて、予選カットこそ果たせなかったが、空恐ろしさを感じないではいられなかった。

そして、改めて思った。
「俺も、もっともっともっとやらないと･･･」。

先週のアジアンツアー「モトローラインターナショナル」を含め、この全英オープンアジア予選は富田にとって初めての海外試合。

今年、日本ツアーで初シード入りを果たしたことで出場のチャンスが広がったとはいうものの「今のままでは、通用しない」。

今回の挑戦で改めて、背中から這い上がってくるような焦りを感じたが、そんな思いになれたのも「こうして、実際に外を見られたからこそ」。

今後も、こんなチャンスをますます増やしていけるように。「今年は、もっともっともっと頑張ります」。

間近に迫った日本ツアーの開幕にむけて、気合が入った。

• 富田 雅哉