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全日空オープン 2002

「頑張って、いきましょう!」

一時6つあったリードは、14番ダブルボギーであっけなく消えたが、2位と1打差で迎える最終日、尾崎将司が、気合いを入れなおした

14番パー4の第2打で、バンカーからの脱出に失敗してダブルボギー。藤田の追い上げもあり、一時、6つもあった大量リードは、あっけなく消え去った。
ホールアウト後、ジャンボは、「これも、試練だな…」とつぶやいた。
近頃のジャンボは、「試練」という言葉を、よく使う。

先月、8月のサン・クロレラクラシックで持病の坐骨神経痛が再発したときも、右臀部を押さえながら歩くジャンボの口から、『試練』という言葉がすべり出た。

「クラブヘッドの先で、誰かに思いっきりぐりぐり押してもらって、痛みを飛ばすんだが、そりゃもう、言葉も出ないくらい痛くて…」
と、こぼしたあと、「悩み多き人生だが、まあこれも、神さまが俺のことを愛してくれているから、試練を与えるのだろう」と、言って豪快に笑ってみせた。
その表情には、どんな苦境も受けて立つ、というジャンボの気概が、感じられたものだ。

14番のダブルボギーのあと、急に、それまでの勢いは失せて、チャンスパットも、ことごとく、カップをそれた。
約2年1ヶ月ぶりの優勝は、どうやら、そう簡単には手に入りそうにもない…。
「優勝の重みは、オレが一番、良く知っているから」
だからこそ、55歳の今も、日夜努力を怠らず、黙々と球を打ちつづけてきた。
「今さら、痛いなんて言ってられないだろう? もうちょいなんだ。明日も、頑張って、いきましょう!」
最終日、ジャンボはどんなドラマを、見せてくれるだろうか。

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