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JCBクラシック仙台 2002

「調子が悪いときこそ、自分のゴルフを」

中嶋の教えを胸に首位タイ浮上、鈴木亨
 今週、宿泊先の蔵王から35分の道のりを、中嶋の車でコースに通っている。
 「先週のチャンピオンが“運転手”なんて、ちょっと気分が良いでしょ?」と、鈴木は、ちょっと得意げ。
 こんな機会は、そうそうない。ドライブ中は、尊敬する大先輩と心ゆくまで話しあい、「いろんなことを、吸収しています」という。
 昨日は、中嶋が、車の中であるテープを聞かせてくれた。
 内容は、「調子が悪いときに、いかに勝つか、という勝利の条件、みたいなもの」
 これまで、鈴木のツアー5勝は、「すべて、調子が良いときの優勝だった」。
 だが、そのテープには、「調子が悪いときこそ、諦めず、腐らずにやる大切さ」を訴えていた。
 それが、いまの鈴木の胸にまっすぐに届いた。

 この日の3日目、16番パー4で、「絶体絶命のピンチ」
 右の林に打ち込んだティショットは、木に阻まれて、上にも下にも出口がない状態。
 「ボギー、ダボも覚悟した」場面で、鈴木は木の枝の、わずかな隙間を抜いてフェアウェーに戻した。
 さらに、ピンまで残り100ヤードの第3打は、アプローチで奥2メートル。これを沈めて、ピンチを、パーに収めてしまった。
 「調子が悪いなあ、というときこそ、自分のゴルフをやりたい」
 中嶋の教えを実践し、「我慢のゴルフ」で、この日の好スコア。

 2000年のカシオワールド以来、しばらく、勝ち星に見放されている。
 昨年は、絶対に勝てる展開から、プレーオフで破れるなど、身もだえするほどに悔しい負けも、いくつか経験してきた。
 「そろそろ、僕が勝っても良いころ」
 ツアー6勝目にむけ、機は熟している。

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