記事
カシオワールドオープン 2001
▼ 大会初日、トピックス 「鬼の面相から、仏の尾崎に変わりつつあるよ」
8月に、パッティングのイップス病にかかって以来、「勝つための条件さえ、作れなかったんだ」と尾崎。
「しかも、1ラウンドごとに胃のちょうど後ろ、背中の筋肉が張って、毎日マサージを受けなくてはいられないほどだった・・・」それほど、パットに思い悩み、神経質になっていたという。
そのため、ここ数ヶ月は、ファンの前でも厳しい表情しか見せられなかったのだ。
それが、この日初日は一転、「やろうったって、しかめっ面ができないくらい(笑)」
後半2番からは、昨年のダンロップフェニックス2日目以来の4連続バーディで、一気に上昇。65の7アンダーは、2位タイ発進に、「“鬼の面相”から“仏の尾崎”に、変わりつつあるね(笑)」
復調のきっかけを掴んだのは、2週前のダンロップフェニックスだった。
もともと、「感性の強い」右の手を生かしてストロークするために、グリップのとき、これまで左手にほとんどかぶせて構えていた右手を指2本分ずらし、左手は添える程度にして握るように変えた。
デビュー当時にしていた逆オーバーラッピングに、近い形。これが効いて、最終日の出だしで3連続バーディをたたき出し、「もう、これで、“カンバック・スマイルだったよ(笑)」もっとも、そのあとも、10年来慣れ親しんだグリップの居心地が良くて、つい、元に戻したり、中途半端な握り方になってしまうこともしばしばだった。
そこで、先週1週間は思い切って、右手1本でストロークする練習を繰り返したり、より、右手始動のストロークを心がけることで、長いトンネルの出口を見出したのだった。
「グリーン上が良くなってくれば、なんたって神経が疲れない。こんなスコアがスっと出て来るようになれば、目指しているものは、手に入っているようなものだよ」
目指しているもの=優勝。
ジャンボにとっては、遅ればせながらの今季初Vだが、「でも、良くなったころにはもう、今年の試合がなかったりしてな(苦笑)」と照れたように笑って、久々の手ごたえに浮かれる気持ちを、ジョークで包んでいた。