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注目のツアープレーヤー!!富田雅哉(チャレンジ初戦V&中日クラウンズ15位)

田中秀道の“弟分”が、じわじわと頭角を現している。
今季チャレンジツアー第1戦の「PRGR CUP(関東)」で初優勝をあげると、初出場を果たした先週の中日クラウンズでは、初日の6番パー4で、残り122ヤードの第2打をチップインイーグル。
三重県八日市市出身の27歳は、地元大会でしっかりと見せ場も作って、15位タイに食い込んだ。

「いまドライバーの調子が、とてもいい」と、言う。
慎重183センチの恵まれた体格を生かして、昨年のドライビングディスタンスでランク3位。
ツアーきっての飛ばし屋だが、その分、安定感を欠くのが悩みだった。
今年のオフ、師匠と仰ぐ田中に打ち明け、指導を仰いだとたんに結果を出した。

「一緒に練習させていただくのだけでも光栄なのに・・・。ほんとうにありがたいですね」。
昨年のファイナルQTランク3位の資格で参戦する今シーズン。序盤からの好調ぶりは、毎年、自分のためにオフの貴重な時間を割いてくれる、大先輩のおかげにほかならない。

“運命の出会い”は10年前。富田が中京商業高3年のときだった。
キャディのアルバイトで行った岐阜県の瑞陵ゴルフ倶楽部。そこの所属プロとして、すでにいたのが田中だった。

その年たまたま、富田がツアー外競技の岐阜県オープンで田中のキャディをつとめたとき、仕事ぶりを気に入った田中が「じゃあ、今度はレギュラーでも担いでくれるか?」。
そうして、ツアーで初めてタッグを組んだのが、95年のフィリップモリスチャンピオンシップ(現名称・ABCチャンピオンシップ)。
田中が、ツアー初優勝をあげた大会だった。

最終日は尾崎将司、直道ら強豪との僅差の争い。最終18番パー5でバーディを奪って逃げ切った田中が、その場で泣き崩れた歓喜の優勝シーンは、今も忘れていない。
それは、高校入学と同時に漠然と胸に抱いた「プロになる」という夢が、初めてくっきりと富田の胸に刻まれた瞬間でもあった。

「俺なんかまだまだ、秀道さんの足元にも及ばない」と謙遜するが、年々着実に成長をとげているのは確か。
プロ入り4年目の今年2月には、2人目の子供も授かった。
4人家族の大黒柱として次はぜひとも、レギュラーツアーでの初優勝を狙いたい。

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