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ダイヤモンドカップトーナメント 2001
「あれで、緊張感がどっか行っちゃった」
生まれて初めての優勝争い。
プレッシャーがないわけがない。
しかし、そんな五十嵐の緊張を解いたのは、こんなうっかりミスだった。
9番。ちょうど、セカンド地点から下っているパー4で、フォアキャディの旗を確認しないまま、ティショット。
「でも、その時点で、まだ、前の組が第2打地点にいたんです・・・」
打ち込んだ相手は、ツアーの大先輩・中嶋常幸のいる組。
「まずいことした!!、と思ったとたんプレッシャーが飛んじゃって・・・」かえってゴルフに集中できたのか、5バーディ、1ボギーの68。
通算7アンダーの2位タイでV戦線に食い込んだが、ホールアウト後は、その余韻に浸る間もなく、中嶋のもとへ直行し、平謝りだ。
それでようやく息をつき、「頑張りましたねえ・・・。期待以上の出来ですよ」と、この日のプレーを振り返った。
今大会のマンデートーナメント(=大会週の月曜日に行われた出場予戦会、2位タイ)から挑戦の五十嵐は、地元・茨城県大宮町在住。
この日は、近所から大応援団も駆けつけて、ひときわ、大きな声援も飛んだ。
初の最終日・最終組には、美代子夫人、長男・順君、次男の輝君も来てくれるかもしれず、「そうなったら、子供たちがあっちこっち行って、集中できなくなるかもしれないな」との心配も・・・。