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全日空オープン 2001
「あともう1日あれば・・・」
64のベストスコアでまわって通算10アンダー。ホールアウトしたときは、ちょうど最終組がハーフターンするところ。この時点で、首位に2打差の3位タイ。
飯合は、「優勝よりも、良いゴルフができたことのほうが大事。上が崩れてくれたら、なんて思わないよ」といいつつも、「あともう1日あればね・・・」と、本音もポロリと飛び出した。
ツアーを休んで、万全の調整で過ごしたはずの夏の1ヶ月。迎えた8月のKBCオーガスタで予選落ち。2回戦敗退の日本マッチプレーを経て、翌週のサントリーオープンでも予選落ちを喫し、「なんでこんなに調子が悪いのかなって・・・。コテンパンにやられた気分だった」と、ショックを受けた。
そして今週2日目も最終ホールでダボを叩き76の2オーバー。
「今週も、もうだめだ、と諦めたんだけどね。ギリギリで通してもらえたから、決勝はもう一度、ゴルフを作り直すつもりで頑張ったんだよ」
気持ちを入れ替えた3日目を68で終え、そしてこの日の最終日、飯合は生き生きと、輪厚で暴れまくった。
2番でチップイン、4番では7メートルを沈め、11番では、15メートルを決めた。
16番パー3ではあわやホールインワンのスーパーショット、17番では13メートルを入れた。
「昨日、今日の2日間、優勝もできそうなゴルフができたよ」と言い切るほど、充実した1日だった。
ここ数週間、「予選通過のプレッシャーさえ感じていた」が、この日のプレーで、不穏な空気も振り払った。
これから、ツアー終盤。「秋は俺の季節」というほど、飯合にとって相性の良い季節も到来する。
「これからの自分が、楽しみになってきたよ」と、47歳は、ニヤリ笑った。