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ダイヤモンドカップトーナメント 2001

「自分が情けなくなってくる・・・」

あと一歩でVを取り逃がした藤田寛之は、伊沢に感服

 思わず、パターから両手を離した。
 18番、ピン左からのバーディパットは、あとひと転がりしていれば、間違いなく勝てたのだ。
 「あれが入っていれば、手っ取り早かったんだけど・・・。そんなに世の中、甘くありませんね・・・」
 顔をゆがめ、天をあおいだ藤田。

 プレーオフの第2打は、右林。
 「(98年大洗での日本オープン時の)秀道みたいに、スライスさせてグリーンに乗せてやろうと思ったのに・・・」
 悔やむショットは、スライスが、うまくかからず、そのまま左へ。
 グリーン左手の木の中にもぐりこみ、結局、出すのが精一杯。
 「セカンドがあそこへ行った時点でダメだった。伊沢さんのショットは、ピンについていましたからね」

 伊沢の強さに圧倒された1日だった。
 大逆転Vを目の当たりにして、「伊沢さんを見ていると、自分が情けなくなってくる」と藤田。

 「伊沢さんは、ピンに対して、自分がやろうとしていることを、やれている。ゴルフというのは、自分がやろうとしていることが出来ないところに難しさがあるのに・・・。
 伊沢さんには、ほかの人が、普通にやっていては、太刀打ちできない強さがある。
 僕は、自分の中の、スィングに自信のない部分が出た。
 自分が今、目指しているドローボール。それはうまく出来ず、右にすっぽ抜けることが多かった。
 とにかく、伊沢さんは、すごすぎる・・・」

 だが、そんな中で、自分なりの課題を見つけたことは収穫だった。
 「伊沢さんはすごいけど、自分だって、ほかの人がないものを持っているはず。だから、そこを磨いていけば・・・」
 今季、好調が続いている藤田のツアー2勝目は、きっと、もうすぐだ。

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