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日本プロゴルフ選手権大会 2001
▼ 2日目、トピックス「敵は自分自身」
最後の18番パー5は、「1ピン(約2メートル)距離」のバーディチャンス。
「これを入れておけば、4アンダーのベストスコア。いい流れで終われるのにな…」
ほのかな希望とともに打った球は、わずかにカップをそれたが、ホールアウトしてきた飯合の表情は、充実感に満ち溢れていた。
「まあ、あれはね、明日あさってに取っておけばいいよ」
コメントにも、余裕が感じられた。
「18番のほかにも3つ、『これを決めておけば気持ちよくなるのに』っていうほんとうに短いチャンスを、入れきれなかったホールがあるんだけど、でも、この難しい状況でのノーボギーは、とにかく嬉しい。今日は100満点だね!」
午前スタートだった朝の数ホールは、午後スタートだった前日初日のグリーンスピードより若干遅く、パッティングで、ショートすることが多かった。しかも、前日に引き続き、この日もシビアなピン位置。
だが、47歳のベテランは、「日本プロでは、ここ数年、しっかりしたピン位置をやってくるのはわかっていたから」と動じることなく、「ムリして寄せるより、とりあえず、乗せればいい」と、1、2番のバーディのあとは、ひたすら耐え忍んだ。
「ずっと狙えなくて、パターが苦しくて…。でも、それを必死で2パットで拾っていった。
そしたら、そのうちだんだん分かってきてね。だんだん、バーディチャンスにも着くようになった。それが、結局はノーボギーにつながった。
ここはガンガン行ったら、逆に損する。センターに、確実に乗せる技術が要求されてるんだ。
パットでショートしても、“チキンハート”だ思わないこと。
1つのボギーを次のホールで取り替えそうとしないこと。結果的に、1つでも伸びれていればいいや、という気持ちでやらなくちゃいけない」
4月のキリンオープンでのプレーが支えだ。
あのときも、難コンディションの中、最終日に64をマークして、2位に食い込んだ。
「難しいセッティングでの好プレー。これがいい薬になるんだ」と飯合。
「それまでは、ミスを恐れていたけど、今は怖くなくなった。
難しい状況ほど、焦らずに出来ていると実感している。今は、しっかりとしたゴルフができているという自信もある。上には、6アンダーってのがいるけど、ここでの敵は自分自身。明日以降も、ガツガツしないで行くよ」
さらに勢いづいた“コング”が、難コースの完全征服をもくろむ。