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日本プロゴルフ選手権大会 2001
「これをきっかけに、治ればいいね」
歓声がコースに轟いた。
16番。8番アイアンで打った湯原のティショットは、ピン手前に落ちると、軽く2バウンドしてカップイン。自身、試合では3度目のホールインワンだ。
しかし、上がってきた湯原の表情は、苦しげだった。
「先週から、首の左側が痛くて痛くて…。こっち(左)にまったく曲げられない。バックスィングでも、首が突っかかる感じでつらかったから、16番でも力をいれず、軽目に打ったらそのまま入っちゃって…」
と話す間も、首をスリスリとさすり続けた。
エースの達成も、それまでのオーバーパーの足しにはならず、通算8オーバーで予選落ち。
「帰って、治療に専念します。…ホールインワンをきっかけに、首が治ればいいなあ」と、湯原は、ホールインワン賞の200万円を手に、コースを去った。