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全英オープン日本予選3位の資格で参戦!!初出場のメジャー戦に神山隆志は・・・

海からの強風にさらされて、フェアウェーはコンクリートさながらに硬く、あちこちに盛り上がったコブは、容赦なくボールを撥ね付ける。

少しでもミスすれば、すぐそこには丈高いヒース。毎日、風が吹かない日はなく、ナイスショットが必ずしも報われるとは限らないのが、スコットランドのリンクスコースだ。

全英オープン日本予選3位の資格で初のメジャー切符を手に入れた神山は、この日の練習ラウンドで思わず悲鳴をあげてしまった。

「いい球打ったな・・・と思ってもボールはとんでもない方向に。やっているうちに、自分が調子いいん だか悪いんだか、だんだんわかんなくなってきましたよ」。

父親が3コースを所有していることもあり、アメリカのコースには慣れっこだが本格的なリンクスコー スは、初めての経験。この日13日は比較的、天候が穏やかだったこともあり、前日月曜日よりはまだ回 りやすかったというものの、それでも戸惑いは隠せない。

初のメジャーに目標設定することもままならず、「本番ではいったい自分がどうなってしまうのか。予測もつきません」と、首をかしげるばかりだった。

この日一緒にラウンドした丸山は、日大の4年先輩。いまや米ツアー3勝の偉大な選手と、こんなに大き な舞台でともに戦える喜びを感じながらも、おかれた立場の違いは痛感している。

「丸山さんはここで“優勝”とか、僕とはまったく見ているものが違う・・・。僕の場合は、とにかくや ってみなければわからない、というのが正直なところです」。

本番ではどうしようもないラフにつかまって、右往左往するのは覚悟の上だ。どんなに良いショットを 打っても、ボールのキックひとつで理不尽な思いをすることもあるだろう。

「でもいちいち、ひとつひとつのミスに不貞腐れることなく、丸山さんのようにアンラッキーも楽しみ たい。それが僕の今週の目標です」。背伸びせず、等身大の自分で初舞台に挑むつもりだ。

写真=6月のJCBクラシック仙台で初優勝をあげた直後、丸山が神山の携帯にお祝いの電話をくれたそうだが、「“おまえいつかけても留守電だな”って、叱られました(笑)」。この日13日に久々の再会を果たし、「改めて“おめでとう”の言葉をもらうことができました」(神山)。

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