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サン・クロレラ クラシック 2002

「無理をした甲斐があったね」

クリスチャン・ペーニャは、右手の故障を抱えながら初Vをもぎとった

 実は今回の戦いで、ペーニャはひとつ、ハンデを抱えていた。
 5月の日本プロで、木の根っこに打ち込んだボールを強打した瞬間、右手に走った激しい痛み。
 「直後しばらくは、痛みはひいていたんだけど、6月ころからまた痛み出して…。7月に入ると、もう、我慢できないくらいだったんだ」
 いったん、アメリカに舞い戻り、医者の診察を受けたところ、とにかく、安静にするしかない、という診断だった。
 にもかかわらず、ペーニャは、たった3週、休んだだけで、すぐに戦線に復帰した。
 「とにかく、秋までに少しでも成績を上げておきたかったから…」
 今季目標に掲げていた日本ツアーでの初Vと、過去9回挑戦して、まだ、1度しか進めていない米ツアー最終予選への挑戦切符を、今年、なんとしても手に入れたいが、ためだった。

 無理して戦いを続ける分、少しでも痛みを和らげようと、ペーニャは、グリップに改良を加えた。
 96年からコーチの、クレイグ・ハリソン氏に、以前、「インパクトで、頭の位置を保つ方法」のひとつとして教わっていた、右小指と薬指の2本の指をかぶせる「ダブルオーバーラッピング」。
 コーチの教えをふと思い出し、先週の大会から、ドライバー以外のすべてのショットで実戦してみると、思いのほか、痛みが軽減された。
 同時に、ショットにも安定感が出てきて、一石二鳥。
 「無理をした、甲斐があったね!」とペーニャ。
 勝負を決めた最後のバンカーショットなど、特に強く打ち込んだとき、やはり少し痛むそうだが、この日の13番ホールまで、67ホールでノーボギーのゴルフを続けるなど、そんな素振りは微塵も見せない、見事な4日間の戦いぶりだった。

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