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中日クラウンズ 2002

「計画したとおりにはいかない、人生もゴルフも」

 地元意識を前面に、鈴木亨が3位タイ浮上

 「完ぺき主義で、綿密に計画をたて、それに沿って、事を運びたいタイプ」とは、鈴木亨の自己分析。
 だが、最近、悟ったことがある。
 「計画どおりに、物事がいくことは少ない。それは、ゴルフも人生も同じ」。

 もちろん、計画を立てること自体は、悪いことではない。
 鈴木の場合、問題は、そのあとだ。
 「計画どおりにやれなかった自分への反省、後悔…。つい、自分を追いつめちゃう、性格なんで…」
 それでも、20代のころは、勢いで、押し切れた部分もあった。
 だが、36歳を迎えた今、「考え方、精神力も成長させないと、これ以上の上昇はありえない」と、気が付いたのだという。

 今週の鈴木は、180度、方向転換。
 ゲームプランは、何もない。
 「出たとこ勝負、行き当たりばったりのゴルフで行こう」と決め、戦っている。

 地元出身の大会ということで、いつもは、「思いっ切りプレッシャーを感じながらのプレーで空回り」
 しかし、今年は、ちょっと違う。
 「フェアウェーに、どっしりと、根を張る感じ。目の前のことだけに集中し、落ち着いて、やれてます」。

 1日に、爆発的スコアをマークすることで、以前の鈴木には『ボンバー』というあだ名がついていた。
 今週は、初日67、2日目68。「ジワリ、ジワリと来ています」(鈴木)。
 「これを、ようやく、“大人になれた”というのかな」と笑う鈴木が、静かな闘志を、燃やしている。

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