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ANAオープンゴルフトーナメント 2005

深堀圭一郎「これからが本当の勝負」

2週前に、フジサンケイクラシックでツアー初優勝を飾った丸山大輔は、「深堀さんの諦めないプレーに刺激された」と話した。
まだ未勝利の近藤智弘は、「深堀さんのプレーにはいつも、もの凄い気合を感じる」という。
「だから僕も、ちんたらやっているわけにはいかない」と。

今年37歳。いつの間にか「若手」と呼ばれる年齢も過ぎて、後輩たちを引っ張っていく立場になっていた。
若手にゲキを飛ばしながら、「プレーでも、刺激を与える存在でありたい。自分自身にも負けたくない」と、自らにムチ打った。

深刻な体の故障は、地道なトレーニングやゴマ油を持ち歩く食事療法などで克服した。
今年、予選会から挑戦した全米オープンで再発した、パッティングのイップスとも歯を食いしばって戦ってきた。

血のにじむような努力のあとは、この日最後の1打に集約された。
18番ホールで行われたプレーオフ1ホール目。
先にティショットを打った今野が、フェアウェーをキープした。
「自分も、絶対に外せない」。
会心のショットで深堀も、負けじとフェアウェーセンターを捉えた。
やはりピッチングウェッジを握った残り133ヤードの第2打は、ピンそば2メートル。
このバーディパットをど真ん中からねじこんだ。

何度も何度も、握り締めた右こぶし。

「最後のパットはもちろん痺れたけれど。それでも肩に力が入ることもなく、体が起きることもない、最高に心地よい痺れ。真っ直ぐスムーズに打つことができた。次もやれそうな自信が出てきた」。

98年に続く大会2勝目はツアー通算8勝目。
8月のサン・クロレラ クラシックに続く今季2勝目は、地元・北海道での2連勝。
「きっと、良い運気がある」北の大地に、またひとつ名前を刻んだ。

この優勝で、賞金ランクトップに躍り出たが「これからが本当の勝負」。

自身初の賞金王の座をかけて。
まだまだ、歯を食いしばる。

  • 契約メーカー、ナイキのプロサービススタッフと「いつも親身になってくれる。彼らに支えられて頑張っています!」(深堀)

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