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世界を視野に、高山忠洋
2005年の開幕戦で念願のツアー初優勝を飾り、年内最後のトーナメントとなったアジア・ジャパン沖縄オープンで、待望の2勝目をあげた。
連日の強風に見舞われた沖縄県・那覇ゴルフ倶楽部。今年7月の全英オープンでの経験が生きた。
風にさらされ硬く締まった台地、速いグリーン。
それら難条件に立ち向かうには、「エッジぎりぎりに落とすのではなく、手前から転がしたり、1つの番手で50ヤードを打ち分ける技が必要」と痛感した。
特に、注目したのはビジェイ・シンだった。
「ショットの音に、まず驚かされた。乾いたような、でも、湿ってるような・・・芯を打ち抜きながら、スピン量がコントロールされた球の音。ずっと観察していた。すごく、勉強になった」。
日本人選手として最高位の23位に終わった初のメジャー舞台で、大きな土産も持ち帰っていた。
年頭に掲げた目標は、「ケガをしないこと」と、「世界のいろんな試合で戦うこと」だった。
そのうち、ひとつは実現できなかった。
シーズン終盤に、両足首を立て続けに痛めるアクシデント。
それさえなければ、今季8位に終わった賞金ランキングも、「もっと上げられてはずだった」と、悔やむ。
ひとまずランクトップに躍り出た2006年シーズンは、まず、ケガをしない体作りが課題だ。
万全の状態で、再挑戦を果たしたいのが米ツアー。
ケガのせいで、今年は諦めざるを得なかった最終予選会への出直しを図る。
「2006年は、ケガをしない体を作って、堂々と向こうに行きたい」。
高山が、世界への扉を叩く。