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ABC チャンピオンシップゴルフトーナメント 2003

3位タイにつけた手嶋多一のホールアウト後の練習風景

ABCの高速グリーンも「絶対にショートはさせない」。たとえ下りのラインが残っ ても、躊躇しない。どんなときも強気なパットが、手嶋の武器だ。

そんな手嶋がホールアウト後の日課にしているのは、2メートル前後の距離からの パッティング練習。ここ、と決めた位置にティを刺して、同じ位置から何度もスト ロークを繰り返す。10球、カップインできたら終了だ。

手嶋の練習風景には、他の選手たちも興味津々。次々と集まってきては、その技を盗 もうと目を凝らす。

「多一ってさあ、なんでそんなストロークでパットが入るの〜?」と真顔で尋ねたの は、ベテラン・湯原信光(=写真中央)だ。「そうやねん、俺は4年前、あのパット で負けた。最後の1メートルのバーディパットを、“あっ引っ掛けよった”と思った ら、それがなぜか入って勝ちよった」とは関西出身の奥田靖己(=写真左)。奥田 は、99年のファンケル沖縄オープンで、プレーオフの末、手嶋に敗れている過去があ る。今年は、長尺パターで戦っている奥田は、「ほんま、入れる秘訣を教えてほしい と思ってくっついてるけど、こいつけっこう口が固くてなかなか言ってくれへんね ん」と、渋い顔。

そんな外野の声には「なんか、誉められてんのかけなされてんのかわからない」と手 嶋は苦笑いを浮かべつつ、この日もきっちりノルマをこなして、コースを引き上げ た。

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