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カニトップ杯チャレンジトーナメント I 2006
「優勝の喜びを伝えたい人が沢山います」 溝渕洋介が初優勝。
高知県で生まれ、小学校では野球、中学校では野球部がなかったためにバレーボール、明徳義塾高校へ進学したあとはゴルフ部に入部し、15才からゴルフを始め名古屋商科大学へ進んだ。
ゴルフが好きだったお父さんは「高校でゴルフ部に入ったことを喜んでくれた」と溝渕は当時を思い出す。また、「父がプロにさせたかった」という意向もあり、溝渕は迷うことなくプロを目指した。しかし、プロテストに合格する半年前にお父さんは病気で亡くなり、プロとしての息子の姿を見ることはなかった。
プロ転向後は、茨城県の静ヒルズカントリークラブと宍戸ヒルズカントリークラブに所属し、練習を重ねてきた。そして現在はベイシス高知というゴルフショップも持つ建設関連会社に所属する。
プロ転向後、トーナメントへの挑戦を続けるが、なかなか結果が出ない。これまでの溝渕のツアーでの生涯獲得賞金は282万円余。チャレンジでも僅かな獲得額しかない。
その生活を共働きの妻が支える。
身体が資本のプロ生活で、溝渕は腰痛をかかえ、東京にある整体治療の宮沢先生に全幅の信頼を寄せる。治療のほか、トレーニングメニューを作ってもらい、更には月に1度は高知から電話での相談もさせてもらっている。
溝渕は今年、QT179位の出場優先順位で、チャレンジトーナメントには数試合しか資格がなかったが、先週のPGA・JGTOチャレンジIで7位タイとなり、「前週の15位以内」という資格でこの大会の出場資格を自力で獲得した。
そして、プレーオフを制して初優勝。賞金270万円と、今年のチャレンジトーナメント全ての出場権、そしてお世話になった宍戸ヒルズカントリークラブで開催される、UBS日本ゴルフツアー選手権宍戸ヒルズにも出場できることになった。
「優勝の喜びを伝えたい人が沢山います」と溝渕。
この日の厳しいコンディションでボギーを打たなかった精神力、そしてお世話になっている多くの人への感謝の気持ちが、優勝という結果を導き出した。
38才という遅咲きのプロゴルファーが満開の花を咲かせるかどうかは、これからの溝渕のがんばりにかかっている。
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