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住建産業オープン広島 2002

「なんで、同じスコアなの?」

 通算8アンダー7位タイで並ぶ、丸山大輔と野仲茂

 ジャンボが、得意の八本松で、まさかの予選落ち。また、次週は、今季のメジャー第3戦、全英オープンが控える。シードの上位選手たちが、渡英のため、多く欠場している。
 そういう意味で、初優勝または出場予選会のランクアップを狙う選手たちには、今週は、またとないチャンスなのだ。
 実際、3日目終了時点のトップ10には、まだ、日本ツアーでの優勝経験のない選手が、ひしめきあっている。
 この日、通算8アンダー7位タイグループに上昇してきた野仲茂、丸山大輔も、やる気満々。互いにライバル心を、燃やしている。

 野仲は、先週まで、パットの不調を訴えていた。
 練習グリーンでどんなに練習しても、うまくいかない。
 その様子を見て、不調の原因を、言い当ててくれたのが、丸山だった。
 丸山は言う。
 「野仲君の練習をたまたま見ていて、以前、調子が悪かったときの僕と同じだ、と気が付いたんです。ハンドファーストに構えすぎて、インパクトでロフトが、かぶってしまっている。だから、スムーズに手が動かず、ラインが出せない」
 野仲に調子を聞いてみると、丸山がにらんだとおり、やはり「入らない」と訴え、初日のスコアは2オーバー。予選通過も危ない状況だった。
 気の毒に思った丸山は、早速、野仲にアドバイス。自分の経験をなぞらえて、「もっと真上からロフトを見てストロークしてみれば?」
 その言葉で、途端に、調子を取り戻した野仲は、予選通過どころか、見る間にスコアを伸ばし、この日3日目には、とうとう、同じスコアで丸山に、並んでしまった。

 「丸山さんのおかげですよ〜」と、感謝しきりの野仲に対し、丸山は憮然。
 「初日、2オーバーだったから教えてあげたのに…!! なんでオレと一緒のスコアなの? …こんなことなら、教えるんじゃなかったかなあ!(苦笑)」
 冗談まじりに、ため息をつき、「明日は絶対に野仲君には負けないぞ!!」と、高らかに宣言していた。
 首位とは4打差。ともに、勝てばツアー初V。互いに、良い刺激を受けあって、優勝争いに突入する。

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