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UBS日本ゴルフツアー選手権 宍戸ヒルズ 2007

竹本直哉が2打差の2位タイ

本人も、自覚している。63を出した大会初日は「宍戸じゃない。どこか、近くの違うコースを回ってたみたいなもの」。まして、ボギーなしの7アンダーは、この難コースでは「ありえない」スコアだ。
「昨日は簡単だったのに。急に難しく感じた」と、74を打ったのは翌2日目。
2番と9番でダブルボギーを打って、「どうやったら昨日みたいなスコアが出るの?」となかば呆然としたほどだ。

しかしこのコースならば「その感じがホントの感じ」。
そして、この日3日目の69。通算4アンダーが「現実的な理想なのだと」。
むしろ初日の分は、貯金だったと考えれば納得もいくというものだ。

圧巻は最終18番。残り205ヤードから、9番ウッドでグリーン左のセミラフに打ち込んだ。同じ組の片山はそれよりもう少し遠くて、もう少し厄介なセミラフに打ち込んで、先にアプローチで3メートルに寄せた。

「上手い人が手本になった」。
のぼり傾斜に沿って、契約先ミズノの新しい60度のウェッジで「スパっと」打ち上げた第3打はギャラリーの大歓声で入ったと分かった。

「入った? 入ったの?」。満員のスタンドに向かって、何度も確認しながら天に向かって両手を広げた。
「まさか入ると思ってない。100点満点のショット」。
最終日にチャンスをつなげる、劇的な1打だった。

この日初めて同じ組で回った片山は、この日7つのバーディ。
「僕もバーディが欲しかったけど。そんなこと言っても、ここはどうにもならないコース」。
まずティショットをフェアウェーに。「グリーンはとにかく真ん中、真ん中に」。
まずは「簡単にパーを取る方法を探す」。
そうすれば、いつかチャンスが来る」。
最後のチップインバーディが何より物語る。

片山も、もちろんミスはあるが「同じホールで2度のミスはしない。絶対にパーチャンスにつけてくる」。
メンタル的なミスもない。「勝ち慣れている」と感じた。
「自分にも、それがあれば」。
たとえばこの日2番のダブルボギーも、ボギーで済んでいただろうに、と思う。

しかし、「そんなことを嘆いていても仕方ない」。
自身初の最終日最終組は、再び地元・茨城県出身の片山と同じ組だ。
「明日のコースは“片山カントリークラブ”。完全にアウェーで、相手は賞金王で…」。
まだシード権もない選手には、奇跡を信じるしかないのだろうか?
「ゴルフの神様がいないと、あの人は倒せないけれど。頑張るしかない」と竹本はつぶやいた。


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