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つるやオープン 2007

ファイナルQTから参戦の竹本直哉が4位

後半の7番で、左バンカーから打った第2打が、あわや自打球。土手に当たったボールが、跳ね返されて戻ってきた。すんでのところで難は逃れたが、ボギーは免れなかった。

これまでの自分なら、上がりのこのミスに、腐っていたところだ。
昨年、ファイナルQTの資格でツアーに本格参戦。
「速いグリーン、深いラフ。一緒に回る選手は上手い人ばかりだし、少しでもモタモタしたら遅いって叱られるし…」。
何もかも始めての経験に、戸惑ってばかり。
「自分に当るしかなかった」と、振り返る。

ファイナルQTランク23位の資格で、2年連続の出場権を手にした今季、ようやく落ち着いてプレーができるのは、苦い経験を重ねてきたからこそ。

「去年と同じミスはやめよう」と、肝に銘じて取り組んだスウィング調整は、練習仲間の井手口正一や、清水洋一に絶賛されたほど。
「去年より、ずっと良くなってるよ」と言われて自信がついた。
迎えた2戦目に、さっそくその成果を示すことができた。

強い風が吹き荒れたこの日2日目。
68でまわって通算7アンダーの単独4位に躍り出た。
「ナイスプレー!!」。
応援に駆けつけた母・茂美さんの声援にも自然と熱が入る。
「プロになって、母親の大変さがやっと分かった」と、竹本はしみじみと言う。

女子プロゴルファーとして活躍するかたわら、女手ひとつで育ててくれた。
15歳のとき、アメリカ留学を勧めてくれたのも茂美さんだった。
同時に、本格的にゴルフを始めたが、いい加減な気持ちでクラブを握ることは絶対に許されなかった。
「どうせやるなら、真剣にやりなさい」が母親の口癖だったが、自分もツアーに出るようになってようやく分かった。
「難しいセッティングの中で、たくさんのギャラリーに囲まれて、なおかつお金を稼ぐのは、生半可な気持ちでやれることではない」。

いまはとにかく1打1打に気合をこめて、1日をこなしていくので精一杯。
「…その中で、結果が出れば最高なんです」。
初シードとか初優勝は、あとからついてくるものと、言い聞かせて決勝ラウンドにのぞむ。


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