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久光製薬KBCオーガスタ 2000
福岡のホープ、手嶋多一の“暑さ対策”
2日目は2オーバーからのスタート。スコアを伸ばさなければ、2年連続の予選落ちだ。
地元なだけに、応援も多い。ミジメな思いは避けたいと、手嶋多一は必死だった。
いかんせん、連日30℃を越えるこの暑さだ。
そこでその対策として、手嶋はこの日、全身黒一色のウェアで登場した。
「みんなからは『見た目が暑い』とバカにされたけど、これはちゃんと僕なりの作戦があるんです。
というのは、ここの高麗芝は太陽の反射がけっこうきつい。ショットやパットでかがむとき、白の服だと芝からの照り返しで目がチカチカするんです。でも、黒ならそんなことで悩むこともなく落ちついてできる?
それに、噂によると、黒の服のほうが太陽の光が遮られて、体力の消耗が少ないんだって」
一見、真夏にはふさわしくないような服装にも、手嶋ならではのこだわりがあった。
それともうひとつがクラブ。普段使っているクラブのシャフトをグラファイト製に変えることで、総重量を10グラム軽くした。
「シャフトを変えたらそれまでの8割くらいの力で簡単に球が上げられて、しっかり振りぬける。そのかわりミスすると、ミスの幅は大きくなるけど、この暑さでバテバテの体にはちょうどよかったみたい」
この2つの対策が功を奏し、終盤も疲れを見せず、7番ホールから怒涛の3連続バーディとまくって通算1アンダーまでスコアを伸ばし33位タイに「最近、稼ぎが少ないからなんとしても残りたかった、ほんと良かった…」とひと安心。