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東建ホームメイトカップ 2007

上田諭尉(うえだゆい)が2位と4打差の単独首位に

豪快な打ち下ろしの最終18番が「今日のゴルフを象徴していた」。ティショットが斜面を跳ねて、左隣の10番ホールへ。

最後に迎えた大ピンチも、3番アイアンでどうにかグリーンカラーまで戻し、2パットでしのいだ。
「そういう、かなり大きなミスが何度かあったけど。結果的には、うまく跳ねてくれたりミスがミスになってない。今日もラッキーだらけ」と笑ったが、2位以下を4打差で突き放し、通算11アンダーで、単独首位に躍り出たのはもちろん“ラッキー”ばかりが原因でもない。

「考え方が変わった」。
昨年、結婚し9月に長男・廉(れん)君を授かって、一家の長としての自覚が出てきたからだろうか。
以前は、「グリーンを外したらボギーを打つ、と思ってた」。
それが今は、「グリーンを外したら寄せればいい」。
そんな粘りと、気持ちの余裕が幸運を引き寄せる。

練習方法も変えた。
2年前、ツアープレーヤーのデーブ大久保を通じて知り合った横浜ベイスターズの工藤公康投手に言われた。
「練習は試合の感覚でやらないと意味がない」。
44歳で、いまだ現役を張る選手の言葉にはいちいち説得力がある。
「それまでの自分は、練習と試合とどこか区別して、漠然と球を打っていたと思う」。
確かに、一流といわれる選手ほど、練習でも本番でもルーティンが変わらない。
「常に試合を想定して打っている。・・・気付くのが、遅すぎたくらい」。

このオフは、土の上からクリーンに打つアプローチ練習を繰り返した。
パッティング練習も漠然と打つのではなく、目標まで10メートル、8メートル、7メートル・・・ときっちりと測った上で、ストロークを繰り返した。
「距離感が合いだすと、ラインも出しやすくなる」。
この2日間、度重なるピンチをしのげたのは、徹底的に小技を極めたたまものだった。

そして、試合中も欠かさず続けているというトレーニング。
誇らしげにグイっと二の腕を突き出した。
途端にムキっと盛り上がった筋肉。
今年はさらに負荷をかけて、さらに鍛え上げた。

心身ともに充実しきって迎えた、この2007年のジャパンゴルフツアー開幕戦。
「・・・でも僕は、3、4日目が弱いから」。
自分の欠点は、自分が一番良く知っている。
だからこそ「本当に試されるのは明日以降」と、肝に銘じて自分の弱さに立ち向かう。

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