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シニアツアーは2年連続の2位に

年齢を経たからこそ、胸に染み入るものがある。百戦錬磨の技に加えて今年、「パワーのシニア」と呼び声の高かったPGAチームは昨年に続いて2位に終わったものの、その表情は充実感で満たされていた。

髙橋勝成は何よりもまず、この雨の中最後まで応援してくださったギャラリーに感謝した。
中でもとりわけ、子供たちの姿に心打たれた。
「寒い中、手の冷たいのも我慢して応援してくれるのを見て、ゴルフ界発展のために、おじさんももっと頑張らないといけないと痛感した」という。

髙橋はすでにレギュラーの出場資格を失って、いまはシニア1本。男子ツアーの面々とラウンドするのは、実に1年ぶりだった。
まして、女子ツアーとは初めてのラウンドだ。
年齢も性別も超えた戦いにも、ぐっと胸に響くものがあったようだ。
「みなさんと貴重な時間を過ごせたことに、幸せを感じました。この2日間は僕の人生の中で、大きな記念となります・・・」。

中嶋常幸にはますます自信を深める2日間だったようだ。
というのもファイナルステージで回った谷口徹と、ウェイ ユン ジェに一度も飛距離で負けなかったからだ。
「とてもハッピーな2日間。今回は、ティショットで前から打たせてもらったけれど。来年はどうぞ、僕らに試練を与えてください」。
来年もレギュラーで主役を張れるという手ごたえが、コメントからにじみ出ていた。

64歳の青木功は、ホールアウト後もひたすら感謝感激だ。
「この年になっても若い子たちと一緒にゴルフができる・・・。ゴルフをしていて、こんなに感動したのは始めてです。ありがとう!!」と、共同記者会見で声を張り上げた。

そして、いまもレギュラーとシニアを掛け持つ室田淳とジェット尾崎。
この2日間が充実したものだったからこそ2人には、今回破れた男子ツアーのJGTOチームのことが気にかかる。
2人のコメントは、JGTOチームへの激励に終始していた。

「僕がツアーの賞金王になって、来年は男子ツアーのキャプテンとしてこの大会に出ます!」と宣言したのはジェットだった。
来年の男子ツアーの出場優先順位を決めるファイナルQTで前半戦にほぼフル参戦できるランク26位につけた。
レギュラーツアーにも活躍の場を得て、闘志がみなぎっている。
「・・・俺が男子ツアーを助けてあげるから。来年も頑張ろう!」。

室田もジェットも、まだまだ若手に負けない自信があるからこそ言えること。
シニアといえども、あなどれない。それを証明してみせたこの2日間だった。


  • 男子にも女子にも負けない溌剌としたプレーぶりで魅了したシニアの面々

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