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VISAダイナスティカップ連敗を喫した日本代表キャプテン青木功は・・・

優勝チームにはメンバー全員に、金色のダイナスティカップが贈られるのに対し、敗れたチームは銀色のカップ。

前週、マスターズの強行軍をぬって代表入りした丸山茂樹は、表彰式で贈られた銀のカップをしげしげと手に取って、「・・・いまは、シルバーのほうが人気があるんですもん。ちょうど、青木さんの髪もシルバーだしね!」悔しさは押し隠し、わざとおどけたように、キャプテンの頭に手をさしのべた。

気持ちを汲んで、「おう、そうだ俺もロマンスグレーだ」と青木も冗談で返したが、心中は複雑だった。

丸山がその場をあとにしたあと、ポツリと言った。

「負けた悔しさは、やった本人たちにしか分からない。俺も悔しいけど、選手たちはもっともっと、悔しいんだもんな・・・」。

いつもは強気な青木から珍しく、弱気なコメントが飛び出した。
「俺の、力不足だったかもしれない・・・」。

前回大会は、米シニアツアー出場のハードスケジュールをぬって大役をつとめただけに、選手とのコミュニケーション不足を痛感させられた。
それを反省材料に今回は、開幕前からメンバーたちに積極的に声をかけ、「次は勝つぞ」とカツを入れて歩いた。
本番が始まれば、精力的にコースに出て選手たちのプレーを見守った。
メンバー構成にも心を砕き、選手たちの声に精一杯、耳を傾けた。
チームに勝利を呼び込むために、力を尽くした。

それなのに、今年も女神は、日本チームに微笑むことはなかった。

「1回目よりは、うまくやれたと思ったんだけど・・・。団体戦は、選手にプレッシャーをかけていっていいのか、和気藹々とやったほうがいいのか、迷うところがあった。アジアが、1枚も2枚もうわてだったということかな・・・」と、視線を落としたが、世界のアオキが、このままへこたれるわけがない。

すぐに顔をあげて力強く言い切った。
「いずれにせよ、もう1回出直しだ!」
次の3回大会も采配をふって、チーム・ジャパンに必ず勝利を呼び込むつもりだ。


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