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東建ホームメイトカップ 2017
ジャンボ尾崎が今季初戦
同組で回ることになった女子プロ界のレジェンド、塩谷育代さんも感激しきりだ。
「同じ組で回れるとお聞きして、緊張のあまり最初は帰ろうかな、と…。でもよくよく考えてみると、私のゴルフ人生こんな幸せな日はない。感謝して、回らしていただく」と、そのかたわらで、本人は照れなのかなんなのか。
「もうちょっと若い女子プロはいなかったの?」なんて、憎まれ口で満員のギャラリースタンドを沸かせた。
「俺は今年、狙っている賞がある」と、意味深発言でさらに感心を惹きつけると「グッドマナー賞!これだね」。
司会進行役のアナウンサーに「ぜひ狙って下さい」と促されると、たちまちとぼけて今度は「何を?」。
自分から言っといて、はぐらかして、ぶち上げた。
「俺は、優勝狙ってんだよ!」。
大勢の観客が、さらに沸いた。
昨終盤から幾度となく繰り返してきた。
「俺のゴルフ人生は重大な局面を迎えている」。
発言のたびに、ジャンボファンをざわめかせた。
今年1月24日の誕生日にも「今年やって、結果が出なければクラブを置く」ときっぱり言ったという。
この日も、「今年は、ラストステージと思ってやる」と、あえて口調はからっと軽いが、実は重たい言葉を繰り返した。
コースでの振る舞いにも、70歳の悲壮な覚悟がにじみ出る。
予選ラウンドで、ジャンボと回ることになった藤田寛之。
2011年の中日クラウンズの最終日以来となる同組ラウンドを前に、真っ先に挨拶に向かった藤田は「逆にジャンボさんから、自分よりも深いお辞儀をされてしまった」と、恐縮しきりだ。
「自分の新人時代から、その背中を見させてもらった。ジャンボさんのゴルフ人生を、僕がどうこう言える立場ではないが、グリーンの上で、プレーされる姿を見ることで、元気や勇気をもらえるのは、自分たちだけではない。1日でも長くプレーしていただきたい」。
生涯現役を願う声という声に、本人も応えようと、朝、晩のストレッチと自転車こぎを欠かさず、懸命の体力強化も「そういうのさえ、スムーズにいかないときがあるから。魅せましょうって言いたいけれど。言えねえんだよなあ…」と、切ない表情になった。
「体もゴルフも去年よりいいのは間違いないよ。でも(今年)初めての試合だし…。焦ってやっても仕方ないし。これからだね」。
どの1打も見逃せない2017年となりそうだ。