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つるやオープンゴルフトーナメント 2008
藤田寛之が暫定首位
気配りの選手は例にもれず、「だから、今日は申し訳なくて」と、謝った。
「誰に対して?」と報道陣に問われると「誰って誰かに…」と口ごもったあと、「同じ組の選手に。他の出場選手にも。あんなショットで6アンダーなんて、申し訳ない」。
自分を「プロの中のプロだから」と表現した。
要は、いつでも完ぺきを求めてゴルフをするタイプということだ。
だから、納得できない内容で好スコアが出ても、手放しで喜べるはずがない。
数年前から続いている胃腸の不調も、何事も突き詰める性格ゆえだろうか。
前半の18番で15メートルのチャンスを入れた。折り返して1番で5メートル、2番で10メートル、3番で4メートルを決めて4連続バーディにもやはり顔色は冴えない。
この日は、得意のショートゲームでなんとかこらえたが、「パットがなければ6オーバーにしていてもおかしくないゴルフ」。
5番から2連続バーディを決めたが「5番だって、ミスショットがたまたまキックしてOKについただけ。複雑ですね」。口を開くごとに、どんどん表情が沈んでいった。
これだけ不調の原因は、3月末。オフ合宿で芹澤信雄から言われた。「藤田はやっぱり、スイングを変えたほうがいいよ」。
この一声でフェードボールを捨てて、「若干ドローを打つ」改造に踏み切った。
師匠の言葉は絶対だ。
「芹澤さんが変えたほうがいいっていうのだから、変えたほうがいいんです。信じてやってますけど、なんせいまはボロボロで・・・。いまは10年守ってきたシード権もどうなるんだろう、くらい悩んでます」。
先週は、弟弟子の宮本勝昌が開幕戦V。
また、16歳の石川遼が優勝争いを繰り広げた。
「いつもだったら、俺もやるぞという気持になるはずなんだけど・・・。まだその準備ができてない。こんなテンションの低いコメントで、暗くさせてしまってすみません」と、最後にまた謝った。