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ゴルフ日本シリーズJTカップ 1999

ニッカーボッカースタイルを初披露した横尾要が、4アンダー3位タイで発進

 この日、難易度2位の距離の長い18番、224ヤードのパー3でボギーを叩くまでは、ノーボギーの5アンダー。
最後の4メートルのパーパットをはずして4アンダー、単独3位のホールアウトに、

「18番は4日間に2回はボギーを打つ計算でやってる。しょうがないね」と横尾要はクールに応えた。

成績以上に目をひいているのが、ファンに初披露したニッカーボッカースタイルだ。

「丸山(茂樹)先輩が、『1年間の総まとめともいえるこの大会では、ニッカーボッカーでも着て出場しようか』って話してたんです。それを聞いて『僕もやろうかな』と。…でも結局、先輩のほうはやらなかったんですけどね(笑顔)」

大会に備え、11月の住友VISA太平洋マスターズの週に、ウェア契約メーカーのブリヂストンにニッカーボッカーを特別注文。「ちゃんと4日分用意してもらってる。4日間、このスタイルで行くよ」

大会初日は、グレーのニッカーボッカーパンツに、お揃いのハンチング帽、白地のベストにアーガイルソックスの組み合わせ。

スラリとした長身に洒落たコーディネイトがよく似合った。この日会場の注目度は No.1だ。

もっとも、このスタイルには深い思い入れもある。

10月に飛行機事故で亡くなった米ツアーのペイン・スチュワートさん。

「今年挑戦した全米オープンの練習日、ペインさんのほうから声をかけてくれて、一緒に練習ラウンドしてくれたんです。ボクみたいな選手も気軽に誘ってくれる人柄に、とても感動しました」。

そのペインさんのトレードマークだったのが、このニッカーボッカースタイルだった。

シーズン締めくくりの大会で、横尾が追悼の意味も込めて選んだウェア。プレーからも、その心意気はひしひしと伝わってくる。

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