記事

2003年賞金王決定!!伊沢利光が2001年以来度目のキングの座に

図らずも、今シーズンの日本ツアーを代表する選手が、今季ツアーの“最後の1打” を、打つこととなった。先週のゴルフ日本シリーズJTカップ。

チャンピオンの平塚哲二とともに、最終日最終組で18番グリーンにやってきた伊沢 は、平塚と同じくらいの30センチのパーパットを残していた。
本来ならば最後の1打は、その週の勝者に譲るべきなのだろう。だが、伊沢はあえて 平塚にことわって、『お先に』を避けた。

というのも、伊沢のパーパットは、ちょうど平塚のラインにかかっていて、不自然な 姿勢でのストロークを強いられる。無理なアドレスで打って外せば、単独2位を逃す ことになる。

この夏、伊沢はコーチの江連忠とひとつ取り決めをしていた。

それは、たとえ他の選手より内側につけても、グリーン上でできるだけ『お先に』をしないこと。最後まで丁寧にストロークすることで、つまらないミスを減らす目的だった。

この約束を、最後まで守りきったことで、2003年締めくくる最終戦、最後の1打は今 シーズンを“制した”賞金王・伊沢が打つこととなったのだった。

実はこの最終戦で、今季3勝目を飾って賞金王、が伊沢の当初の目標だった。だが、 平塚にチャンスもピンチも含めてパットを入れまくられ、「あれだけ入れられちゃ あ、追う方もつらい」と完全降伏。今季最後のチャンピオンの座は譲ったが、賞金 レースはみごと、トップのまま走りきった。海外での獲得賞金を含め、1億3545万4300円。部門別でも、平均ストローク、総合点 のユニシスポイントランキング、バーディ率の3部門でトップの座を射止めた。

今季10勝をあげた女子プロの不動裕理選手の史上最高賞金額の1億4932万5679円には及ばず、史上初めて、賞金王が女王に賞金額で敗れたが、「それは、不動選手の活躍を誉めると同時に、他の女子選手が考えるべきこと。男子ツアー全体で考えれば、底上げされたと喜ぶべき」ときっぱり。

むしろ、気になるのはこれからの自分。昨年は、初めてキングの座についた翌年ながら未勝利に終わり、自信を失いかけた。今季開幕時は復活をかけて、江連忠とコーチ 契約。世界メジャーで勝てるスウィング作りに励んで7月には2週連続Vを上げたが、 「課題はまだまだたくさんある。できれば次は、年間4勝・・・5勝して賞金王! !」。

日本が誇るベストスウィンガーは、自身2度目の栄誉にもおごることなく、さらなる進化を誓った。

※賞金王に輝いた伊沢利光は、部門別の平均ストローク、ユニシスポイントランキン グ、バーディ率でもトップに。そのほか、フェアウェーキープ率(井戸木鴻樹)、平均パット(トッド ・ハミルトン)、パーキープ率(平塚哲二)、パーオン率(デービッド・スメイル)、イーグル率(立 山光広)、ドライビングディスタンス(小田龍一)、サンドセーブ率(上出裕也)など各部門で1位に 輝いた選手たちは今週10日(水)、都内の東京全日空ホテルで行われる2003ジャパンゴルフツアー 表彰式で表彰を受ける予定です。

関連記事