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<初日の勝敗結果>飯合肇、佐藤信人VS張連偉、梁文沖
1ダウンで迎えた17番。
飯合が、7メートルのバーディチャンスを決めてマッチイーブン。
「これは、何が何でも勝たなくちゃ、と思った。かなり意気込んだよ。でも、それでかえって2人とも、力が入ってしまったかもしれない…」(飯合)
18番のティショットは、偶数ホール担当の佐藤信人。
ボールは無情にも、左のラフにもぐりこんだ。
そこからの第2打を飯合がグリーン手前バンカーに打ち込んだが、佐藤がアプローチで手前2メートルにつける。
そして、飯合のパーパット。
「打ち切れなかった。本当に、情けない…」
結局、最後のチャンスを生かしきれず、悔しさと落胆のあまり18番グリーンサイドで思わずガックリと膝を折り、その場に座り込んでしまった飯合だった。
今週12日、偶然同じ日に誕生日を迎えた2人のペア。
コンビネーションは、問題なかった。
2人の調子も、けっして悪くない。
ただ、代表としてのプレッシャーを感じるあまりにゴルフが固くなり、相手のミスに付け入ることができなかった。
しかも、対戦相手は、地元・深セン出身の張連偉と、中国の梁文沖。
ライバルの人気は、絶大だった。ギャラリーは、他のどの組よりも多く、“アウェイコース”で、ファンからあからさまなけん制もあり、「勝たなければ」の重圧が、いっそう2人の肩にのしかかった。
「スタート前はそれほど緊張しているつもりはなかったのに、いざ1番ティに立った途端に震えが来て…。偶数ホールを選んだことをあのとき、心底、後悔したよ。こんな緊張感は、マスターズの1番ティ以来」と飯合がため息をつけば、
「こんな緊張感は初めて。片時もホっとできる瞬間がなかった。タイミングが取れず、大きなミスはない変わりに、今日は手ごたえのあるショットも、一発もなかったですね…」と、しょんぼりとつぶやいた佐藤。
「とにかく、悔しいね。佐藤君に勝たしてあげることができなかったことも、本当に申し訳なくて…」と、最年長の飯合が、小さく肩を丸めていた。