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アイフルカップ 2001
「今週は、戦闘態勢!!」
今でも、思い出せば悔しさがこみ上げてくる。
6月のタマノイ酢よみうりオープン。
プレーオフ1ホール目の18番で2発のOB。
鈴木が、福澤義光に、あっさりと初優勝を譲り渡した、あのシーンだ。
「終わった直後は、“あれは仕方ない”とかってコメントしたけど、とんでもなかった。時間がたてばたつほど、悔しくて仕方なくなりましたね」と、鈴木は渋い表情で振り返る。
その翌週の、ミズノオープンは、もっと惨めだった。
周囲の、気の毒そうな視線。
「“自滅した、悲劇のヒロイン”みたいに見られているんだ、とすごく感じて…よけいつらかったんです…」。
もっとも敗れたあの週、鈴木は、前日3日目に、こんなコメントをしていた。
「まだまだ、戦闘態勢ではないんですよ」と。
ゴルフの調整がうまくいかず、気持ちの中でも“勝ちモード”とは、言えなかったのだ。
それでも最終日、2位以下に2打差をつけて18番に上がってきたときは、ほとんど『勝った』と思った。
だが確信した矢先、ノーシードの福澤が、20メートルのイーグルパットを決めた。首位に並んでプレーオフ。
「僕自身は、72ホールのゴルフですっかり満足してたんです。
それが、いきなりプレーオフに持ち込まれて・・・。何がなんだかわからないうちにティショットを打って…。正直、相手のことを、ナメていたのもあったかもしれないですね」
今週は「よみうりのときよりか、はるかに調子が良い」と言い切る鈴木。
しかも過去、2年連続で予選落ちしているこの大会。苦手だと思っていた鰺ヶ沢で、66の好スタートに、「気持ちは“戦闘態勢”に入っています。…このまま4日間、走り抜けたい」。
雪辱戦をもくろむ、鈴木の目が鋭い。