「昨年のこの大会、僕は3位に入ることができたのですが、これは本当にラッキーでした。というのも、当時の僕は、クラブやボールとのマッチングなど、いろいろと試行錯誤の段階で、それほど絶好調という感じではありませんでした。
　そんな不安定な状態の中にもかかわらず、3日目終了時点ではなんとか3位につけることができ、そして、少々の緊張感を抱きつつ迎えた翌日、最終日はあいにくの悪天候で中止になり・・・。
　あのときの僕にとっては、『中止になって悔しい』という思いより、むしろ、『もし、最終日が中止になっていなかったら、きっと順位を落としていただろう』と、ホっと胸をなでおろす気持ちのほうが、強かったんですね。

　今季もまだ、試行錯誤の段階は続いており、『今週は、昨年以上の成績を・・・』などと、大きなことが言えるほど、本調子ではありません。
　それでも、これまですでに何試合か続けてV争いをさせてもらい、また、今年は、初めて全英オープンにも挑戦できることになりました。
　調子が悪いなりに、こうして成績が残せていることは、今の僕にとって大きな支えです。
　99年のファンケル沖縄オープン以来、なかなか、次の2勝目が果たせずにいますけれども、優勝よりも、今の僕に大事なことは、毎年、安定した成績を挙げ、かつ、何度か優勝争いに顔を出せること。今週も、『ツアー2勝目』を目指すより、上位で踏ん張って、最後まで優勝争いで大会を盛り上げたいですね。

　・・・もちろん、その一方で、“V争い止まり”のパターンばかりをいつまでも続けていては、そのうち勝機もどこかへ逃げていってしまう、という思いもあります。
　最近は、惜しいところまで行っておきながら、最終日に自滅して・・・という悪循環も続いていますから、ぜひ、ここらでその雪辱を果たせたらいいですね。

　会場のホウライCCは、あまり飛距離の出ない僕にも、入念な攻略を練ることで、スコア量産が可能なコース。
　全英オープンにむけて、今週も、ファンのみなさんのご期待にも応えられるよう精一杯頑張りますので、ご声援のほど、よろしくお願いします！！」

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• 手嶋 多一