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UBS日本ゴルフツアー選手権 宍戸ヒルズ 2008

久保谷健一「技術というより、気合いです」

この日初日は朝の練習からショットが曲がりまくっていた。「まあ、それもいつもの僕なんですが」と自嘲の笑み。諦め半分、「今日はどうなっちゃうんだろう…」という不安が半分。しかし、いざスタートしてみたら、フロント9で4つのバーディだ。

落としどころの狭いフェアウェーの先に待ち受けるのは、ところによっては150ミリ以上に成長した深いラフ。
「ティショットで気が抜けるホールがひとつもない。ここは、ツアーでも屈指の難コースだから。怖さもあるけど、攻め甲斐もある。あそこに打つんだと、いつも以上に強く心に決めて打った。今日の好スコアは技術というより、気合いです」。

シーズン開幕。
大会初日。
前半の9ホール…。

いつも、「出だしが苦手」だ。
最初にボギーが先行すると、ますます自信を無くして修復不能に陥ってしまうからだ。

だがこの日は、ラフに入れたホールが1回、セミラフ2回という安定したゴルフで、好ダッシュが切れたことで波に乗れた。
485ヤードと距離があり、しかも池がらみの17番パー4で3パットのボギーを打ったが、「しっかりグリーンは捕えられたから。最高に難しいセッティングで頑張れたら、自信が出てくる」。

2002年に栃木県のホーライカントリー倶楽部で行われた今大会以来の単独首位に、久々に笑顔がこぼれ出た。

同年に、2週連続優勝による年間2勝をあげたのを機に米ツアーに参戦。
しかし、打ちのめされて2004年の帰国以後、目立った成績がないばかりか、ここ数年はシーズン終盤までシード権の確保を引っ張っており、矢野東から「呑み仲間の中で、ケンケン(久保谷の相性)のことが一番心配。頑張って欲しい」とエールを受けるほど。
「でも、僕だって勝ちたい。ケンケンの順位は見ないようにします」という矢野は、この日1アンダー6位タイスタート。
追いかけてくる親友を、最後に突き放すことが出来るか。

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