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〜全英への道〜ミズノオープン 2000

ミズノ所属の鈴木亨が、プレッシャーをはねのけ好スタートを切った

今週、契約先・ミズノが主催のこの大会を迎えるにあたって、鈴木亨には不安材料があった。前週のよみうりオープンでの予選落ち。鈴木は、今大会90年から11年連続で出場しているが、「前週の大会で予選落ちするなんで初めてのことだったんです」。自ら“慣習”を破ってしまったことで、それが大きなプレッシャーとなってしまった、というのだ。

「このミズノオープンはホストの試合、ということで、この大会に勝つということは僕にとって日本オープンを勝つに等しいくらいの位置付けをしているんです。しかも、この大会でミズノの選手が勝ったのは、(86年の)中嶋(常幸)さんだけ。『次は僕が』という思い入れがずっとあった。それに全英の出場権もかかっているし…何もなくてもプレッシャーがかかる大会を前に予選落ちして、悪いイメージで会場入りしなければならなくなって、すごく迷いが出てしまった。(よみうりCCが)アップダウンのきついコースで体力的に負担が大きく、しかもOBの多くて精神的にもダメージが思ったより大きかったんですね。僕ももう年なんだな…って思いましたよ」

 不安な気持ちを抱いたまま初日のこの日は、ティグラウンドに立ったが、「僕と、このコースとの相性は、他のどの選手よりも1番」というプライドが鈴木を救った。
 インスタートの11番で、グリーン右からの第4打をチップインバーディとすると、 12番では、グリーン下からピンまで18メートルのバーディチャンスを決めて2連続。波に乗ってスコアを伸ばし、7バーディ、ノーボギーの首位発進。

「これまで、8回ここをまわって(98年からミズノオープンはここ、瀬戸内海ゴルフ倶楽部に会場を移した)、ティグラウンドで変なところに打った記憶がないんです。いつもティグラウンドに迷いなく立てる。それで、今日は思ったより落ちついてラウンドできました」

 大会前に行った、気分転換も効いている。家族と行った自宅から20分の九十九里浜。
「調子が悪くなると、海に行くんです。先週も海の広さを目の当たりにして、『予選落ちなんて小さなことじゃないか、小さいミスをいつまでも考えてもしょうがない』って思えた。だいぶ、吹っ切れましたね」

9月のジュンクラシックで初優勝をあげた93年の春。捻挫をして思うように戦えなかったときも、結婚が決まっていた京子さんと福井県の荒れ狂う日本海に訪れ、迷いを断ち切った思い出がある。

「選手は、水巻さんが勝って、奥さんと息子さんと一緒に表彰式に立って…すごいいいものを見せてもらいました。僕も、やりたいなと思うし、なんといってもまず、息子(長男の貴之君、3歳)に勝った姿を見せてあげたい。全英オープンは…契約先のこの大会でがんばればついてくる、という感じで…行けたらいいですね」
家族への思い、ホスト試合へのプレッシャー。さまざまな思いを抱きながらも、今週、鈴木亨がVロードに向かって突き進む。

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