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ゴルフ日本シリーズJTカップ 1999

4打差首位でスタートした伊沢利光の勝利は、ほぼ決まりかと思われたが…

 9番パー4で、2メートルのパーパットをはずしてボギーとしても、伊沢の表情は変わらなかった。10番パー4でバーディを決め通算9アンダーで細川に並ばれても、やっぱり同じだった。
 「しょうがないと言えばしょうがない。ただ全体的にそんなに悪くなかったんで。きょうは細川君がいいゴルフをしたということ」2打差の2位に敗れても、伊沢は淡々と語り、穏やかな表情のままだった。

「9番は読み違い。ファーストパットで左に曲がると思ったのが曲がらないでまっすぐ来て、返しのパットは右に行かないのかなと思ったら右に行っちゃった。10番で細川君に並ばれたとき…? 気持ちは別に変わらなかったです。18ホール、ほとんどずっと同じ気持ちでした。ずっとピンだけを狙っていました。朝からずっとピンを狙って、安全パイで、というホールなんかひとつもなかったです。

 ただ、ボクは短いパットが入らなくて、バーディチャンスが取れなかった。ショットは悪くなかったんで、もうちょっとパットが入っていればと思いますが…」そこで伊沢はにっこり微笑み、やはり穏やかに締めくくった。

 「まあ、きょうはしょうがないですね」

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